「詩・短歌」で切り取る、今後一ヶ月の気になる近刊は?
こんにちは。本が好き!編集部の和氣です。
不定期でお送りする、テーマで切り取る今後一ヶ月の近刊情報「today's pick up」。
(毎日ツイートしている #今日の気になる近刊 と 本が好き!らぼ近刊情報サーチ を参考にしています。)
第5回目のテーマは「詩・短歌」。ブログ、ホームページ、SNS……インターネット以降、僕たちの周囲にはそれまで以上に言葉が溢れています。ハッとするようなキレイな言葉もあれば、読みたくもないような下品な言葉まで、上手い下手を問わずどんな人でも自分の言葉を世界に向けて発信できる時代です。でも、だからこそ、言葉について考えてみたい。
どんな「詩・短歌」の本がこれから出るのか調べてみました。
・近刊情報サーチで詩で検索した結果
・近刊情報サーチで短歌で検索した結果
そんな中で、和氣が気になった3点を挙げます。
「レダの靴を履いて」塚本邦雄の歌と歩く
発売日:8月16日
書名:「レダの靴を履いて」塚本邦雄の歌と歩く(尾崎まゆみ・書肆侃侃房)
内容紹介:ゆきたくて誰もゆけない夏の野のソーダ・ファウンテンにあるレダの靴 塚本邦雄の短歌をやわらかく、わかりやすい言葉で紐解く、塚本の薫陶を受けた著者ならではの一冊。塚本ファンはもちろん、塚本初心者の読者にこそ届けたい。塚本邦雄の短歌の魅力「美しい空白」を味わうために……。
八〇年代後半、若くして塚本邦雄に出逢ってしまった著者は、塚本ワールドの虜になり、塚本が語る短歌と言葉の世界に引き込まれていく。塚本亡き後、訪れた日本現代詩歌文学館で、偶然、塚本の遺品に遭遇した著者に、あの醸成された至福の時間が還ってくる。そしてふたたび、塚本の短歌とともにあるき始める。
二〇二〇年、塚本邦雄は生誕百年を迎える。
愛について/愛のパンセ
発売日:8月11日
書名:愛について/愛のパンセ(谷川俊太郎・小学館)
内容紹介:谷川俊太郎第三詩集と第一エッセー集の合本
『愛について』は1955年の刊行。
いつまでも
そんなにいつまでも
むずばれているのだどこまでも
そんなにどこまでもむすばれているのだ
弱いもののために
愛し合いながらもたちきられているもの
ひとりで生きているもののために
いつまでも
そんなにいつまでも終わらない歌が要るのだ
・・・・・・・・・と始まる抒情的とも思える詩について(タイトルは「愛」)、詩人は言う。
<そのころは、一種理想主義的な、愛に対する過剰な思い込みがあったんでしょうね。若かったんですよ。……ただ、これも、ぼくには愛の形だと思えるんですけどね>そして『愛のパンセ』は1957年に刊行された初のエッセー集。
<私は自分の青春を、愛というものと切り離しては考えられない。私はすべてを愛を中心にして感じとり、考えた。愛こそ最も無くてはならぬものであり、それ故に私はいつも愛に渇いていた>谷川俊太郎の若さ溢れるこの2冊は、谷川ファンだけでなく、若い読者にも新鮮にとびこんでくることであろう
祖国と詩:W・B・イェイツ
発売日:8月8日
書名:祖国と詩:W・B・イェイツ(杉山寿美子・ラパポート・国書刊行会)
内容紹介:二〇世紀の英語圏で最も偉大と評価される詩人、W・B・イェイツ。アイルランドの歴史の最も重要な一時代を生き、祖国の変貌する姿をうたい続けた詩人の驚異的人生を一冊に収めた本邦初の本格的伝記。
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