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ブックイベントに行ってみた!

ブックイベントに行ってみた!「はじめての海外文学スペシャルin大阪」【前編】

〈イベント概要〉
はじめての海外文学スペシャルin大阪
日時 2020年1月26日(日) 11:00~13:00
会場 梅田 蔦屋書店
登壇者(五十音順、敬称略) 越前敏弥、木下眞穂、小竹由美子、芹澤恵、田中亜希子、谷川毅、夏目大、増田まもる
https://store.tsite.jp/umeda/event/humanities/10216-1152581009.html

こんにちは。本が好き!レビュアーのタカラ~ムこと佐野隆広です。
「ブックイベントに行ってみた!」第4回は、1月26日に梅田 蔦屋書店で開催された「はじめての海外文学スペシャルin大阪」です。私もスタッフとして参加している「はじめての海外文学フェア」で選書をされている翻訳家8名が、「ぜひ読んでほしい!」とオススメする海外文学を紹介するトークイベント。会場は満員のお客さまで盛り上がりました。

8名の翻訳者が推薦本を6分間でプレゼン!

大阪での開催は今回が2回目となる「はじめての海外文学スペシャル」。定員80名の会場は満席となり、登壇する8名の翻訳家の皆さんもやや緊張の面持ちです。イベントは、進行役の越前敏弥先生によるルール説明から始まりました。
イベントは、8名の翻訳家がそれぞれ6分の持ち時間の中で「はじめての海外文学vol.5」にご自身が推薦した海外文学をプレゼンします。登壇者には賞品として図書カードが進呈されますが、6分の制限時間を過ぎて、さらに7分をオーバーすると賞品は没収になるルールです。制限時間内であれば、推薦書以外の本を紹介することも自由です。

〈プレゼンターの翻訳者8名〉

越前敏弥 先生
木下眞穂 先生
小竹由美子 先生
芹澤恵 先生
田中亜希子 先生
谷川毅 先生
夏目大 先生
増田まもる 先生

プレゼンは五十音順に行われました。

越前敏弥先生:推薦書「完訳オズのふしぎな国」


書籍:完訳オズのふしぎな国
(ライマン・フランク・ボーム,宮坂宏美(翻訳)/復刊ドットコム)


「オズの魔法使いシリーズ」は、「有名なシリーズなのに、第1作と第2作で読んだことのある人の数のギャップが大きいという意味で世界一かもしれない」シリーズです。会場でも「オズの魔法使い」は、本を読んだり映画を観たりしていても、本書を読んだことがある人はチラホラいるくらい。
本書のアピールポイントは、「物語のラストに、世界のミステリ史上で歴史に残るくらいの大大大どんでん返しがある」というところです。その衝撃は、「『オリエント急行殺人事件』と『アクロイド殺し』と『カーテン』を合わせたくらいの衝撃」 なのだとか。「ミステリ通ならこの作品を知らないともぐり」と越前先生。


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映画「9人の翻訳家」は、ダン・ブラウン「ダ・ヴィンチ・コード」シリーズの第4作「インフェルノ」翻訳にまつわる実話にもとづいて制作されたミステリ映画です。「観る人によってさまざまな解釈ができる映画。何回でも観てほしい」。

意外と読まれていない「オズの魔法使い」。「本書を読めばシリーズの続きが読みたくなる」

木下眞穂先生:推薦書「ガルヴェイアスの犬」

書籍:ガルヴェイアスの犬
(ジョゼ・ルイス・ペイショット,木下眞穂(翻訳)/新潮社)


「ガルヴェイアスの犬」は、第5回日本翻訳大賞受賞作です。「自分の訳書で大きな賞も受賞した作品を推薦するのはどうなんだろう」という気持ちもあったという木下先生ですが、第1回日本翻訳大賞を受賞した斎藤真理子さんが「はじめての海外文学vol.3」に受賞作「カステラ」を推薦した際、「賞はもらったが韓国文学はまだまだ売れていない。韓国文学を有名にするために推薦した」と言っていたのが印象的だった。その後、韓国文学が『K文学』と呼ばれるまでに盛り上がったのをみて、今度はポルトガル文学を『P文学』にしようと思って推薦したと話します。
著者の故郷でもあるガルヴェイアスという村を舞台にした物語には、登場人物がたくさん出てきます。登場人物一覧を作成して読んだ人もいるのだとか。日本翻訳大賞選考委員の柴田元幸先生が「小説は、人の頭の中で作られたもの。それをこの小説は隠そうとしない。実に小説らしい小説だ」と絶賛してくれたことが忘れられないと言います。
と、ここでプレゼン時間の終了時間ギリギリに。でもまだ話足りない木下先生は「私、図書カードいらないんで!」と宣言してプレゼンを続行(会場大爆笑)。


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時間をオーバーしても、紹介したかったのは、2019年秋に刊行された「ポルトガル短篇小説傑作選」(現代企画室)です。現代ポルトガル小説を代表する12人の作家の短篇を収録した作品集で、木下先生が企画から携わってきた短篇集になります。図書カードを没収されてもいいから紹介したい、という熱意が伝わるプレゼンでした。

書籍:ポルトガル短篇小説傑作選 (現代ポルトガル文学選集)
( ルイ・ズィンク,黒澤直俊(翻訳) / 現代企画室)

40年近く続いた独裁政権下にあったポルトガルで民主化が始まった1974年以降に発表された作品を主に収録した短篇集です。また、かつて植民地としていたアフリカのアンゴラのポルトガル語で書かれた作品を翻訳していて、夏に出せる予定です。(木下先生)

 

小竹由美子先生:推薦書「あのころ、天皇は神だった」

書籍:あのころ、天皇は神だった
(ジュリー・オオツカ,小竹由美子(翻訳)/フィルムアート社)

太平洋戦争当時、収容所に収監された日系人の家族を描く本書は、著者ジュリー・オオツカの祖父母がモデルになっています。この作品では、登場人物に名前がありません。女、女の子、男の子、と章ごとに視点人物が変わるのも特徴的で、最後の父親の章からは、胸の内にためた怒りがこみ上げてくるような構成になっています。日系人を描いた作品ですが、同じような経験を持つ人たち全般につながる話でもあるため、9.11テロでアラブ系の人たちに憎悪が向けられたときにもよく読まれたと言います。


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紹介した作品は「屋根裏の仏さま」(新潮クレスト・ブックス)です。ジュリー・オオツカが「あのころ、天皇は神だった」のブックツアーを行った際に知った『写真花嫁』を題材にして書かれた作品で、写真と手紙だけを頼りに海を渡った女性たちの物語が『私たち』という一人称複数で描かれます。どちらの作品も今の時代だからこそ読んでほしいと思わせてくれるものでした。

書籍:屋根裏の仏さま
(ジュリー・オオツカ,岩本正恵(翻訳),小竹由美子(翻訳)/新潮社)

芹澤恵先生:推薦書「iレイチェル」

書籍:iレイチェル: The After Wife
(キャス・ハンター,芹澤恵訳(翻訳)/小学館)


「喪失と成長の物語という本書は、純文学にもエンタメにもはまらない、無理やりSFという見方もできなくはないけれど、ジャンルを特定できないタイプの作品で、だからこそ、このままでは読まれないまま埋もれてしまうかもしれないと思って推薦した」という芹澤先生。単純なストーリーですが、読んでいていろいろと考えさせられる作品です。

「ジャンルを特定するのが難しい作品の中には、読んでワクワクさせてくれる作品がたくさんあるので、書店で見つけて「面白そう」と思ったら直感を信じて選んでみてほしい」


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チベット文学の「雪を待つ」(勉誠出版)とインドネシア文学の「珈琲の哲學」(ぎょうせい)です。どちらも昨年読んで面白かった本ということで、「雪を待つ」はチベット文学ということから「K文学ならぬC文学ですね!」とのこと。読み終えてタイトルに思いを馳せると胸が熱くなる作品です。「珈琲の哲学」は短篇集で、表題作は映画化もされて(「珈琲哲學~恋と人生の味わい方」)、その後映画のロケに使われたカフェが実際に営業されることになり、さらには作中に出てくるコーヒーのブレンドが商品化されて……といったふうに、作者も予想もしていなかった輪が拡がり、相乗効果で作品自体もインドネシア国内でよく読まれるようになったそうです

書籍:チベット文学の新世代 雪を待つ
(ラシャムジャ, 星泉 (翻訳)/ 勉誠出版) 

田中亜希子先生:推薦書「ガラガラヘビの味 アメリカ子ども詩集」

 書籍:ガラガラヘビの味――アメリカ子ども詩集
(アーサー・ビナード,木坂涼 (編訳),しりあがり寿(イラスト)/ 岩波書店)


本書には62篇の詩が収録されています。英語圏の児童書には詩がよく出てくるそうで、「詩は、英語圏の子どもたちが日頃から慣れ親しんでいるジャンル」と田中先生は言います。編訳はアーサー・ビナードさんと木坂涼さんのご夫婦で、イラストはしりあがり寿さんが描いています。 はじめての海外文学スペシャルイベントでは、推薦書の中から印象的な一節を朗読するのが定番の田中先生。今回は「詩の食べ方」と「ガラガラヘビの味」を朗読してくれました。普段から読み聞かせの活動もされているだけに、会場も朗読にじっと聞き入っていました。


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その他、紹介した作品は「目覚めの森の美女」(東京創元社)です。「白雪姫」などのおとぎ話やアイルランドの民話14篇を現代の視点で再話した短編集になります。この本からも「シンデレラ」「赤ずきん」を元に語り直した短篇から印象的な一節を朗読してくださいました。作品の一節を読み聞かせてもらうことで、より印象に残るプレゼンでした。

 

籍:目覚めの森の美女 森と水の14の物語
(ディアドラ・サリヴァン, 田中亜希子 (翻訳)/東京創元社)

谷川毅先生:推薦書「13・67」

書籍:13・67
(陳浩基著,天野健太郎(翻訳)/文藝春秋)


昨年は中華圏の文学がたくさん読まれるようになりました。中でも「三体」(早川書房)はよく読まれていて、会場にも読んだという方が多数いました。他にも中華ミステリもよく読まれていて、今回、推薦している「13・67」も香港を舞台にしたミステリ小説になります。 谷川先生は、この本を推薦した理由を2つあげています。ひとつは、この本の翻訳者である天野健太郎さんへの追悼です。「歩道橋の魔術師」などの台湾文学を多数翻訳して日本に紹介しいた天野さんは、2018年に急逝されました。中国文学が日本でたくさん読まれるようになったのは、天野さんの大きな功績だと思います。もうひとつは、香港の歴史を暴いていくかのように、現在から過去へとさかのぼる構成になっていて、一話一話が極上のミステリになっているのはもちろんのこと、現在がどんどん過去につながっていき、ラストには「そこにつながるのか!」と驚かされるところ、そしてなにより香港の空気をリアルに感じさせてくれるところです。

「三体」など中華ミステリの魅力に触れつつ、香港の変遷を描いた本書を推薦。「この本を読んで、ぜひ香港、中国に行ってみてほしい」

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閻連科の作品で、第5回Twitter文学賞を受賞した「愉楽」(河出書房新社)と昨年刊行された短編集「黒い豚の毛、白い豚の毛 自選短篇集」(河出書房新社)。

書籍:愉楽
(閻連科,谷川毅(翻訳)/文藝春秋)

 


 書籍:黒い豚の毛、白い豚の毛 自選短篇集
(閻連科,谷川毅(翻訳)/河出書房新社)

 

夏目大先生:推薦書「分別と多感」

書籍:分別と多感
(ジェイン・オースティン,中野康司(翻訳)/筑摩書房)


オースティンの作品は、ロマンス小説や恋愛映画のパターンの元になっています。オースティン作品では「高慢と偏見」が有名ですが、「分別と多感」はそれよりも前に書かれた作品で、エマ・トンプソンの脚本、主演で映画化もされています(映画タイトルは「いつか晴れた日に」)。夏目先生は、映画を観て感動したので本を読んだそうですが、読んでみて登場人物がすごく若いことに衝撃を受けたとのこと。映画で観たときは年寄りだと思っていた登場人物がまだ三十代後半だったり、十代だったりしてびっくりしたのだとか。
本書は、長子相続というこの時代の特殊事情を背景にした三姉妹の物語です。ラストは「え、こんな終わり方?」「都合良すぎるんじゃない?」と感じるかもしれないが、心理描写が細やかに描かれていて、夏目漱石が参考にしたり、谷崎潤一郎の「細雪」にも雰囲気が近い作品です。「『高慢と偏見』を読んだことがある人も、まだ読んでいない人も、ぜひ読んでほしい作品です」とプレゼンを締めくくりました。

増田まもる先生:推薦書「パラダイス・モーテル」

書籍:『パラダイス・モーテル』
(エリック・マコーマック,増田まもる(翻訳)/東京創元社 )


エリック・マコーマックは「雲」(東京創元社)が柴田元幸先生の訳で刊行されたばかりですが、「パラダイス・モーテル」を起点にして読むとマコーマックの本質が伝わるのではないかと増田先生は言います。マコーマック作品の「ドロドロした気持ち悪い描写が大好き」という増田先生によれば、新作「雲」にはドロドロが少ないそうで、気持ち悪さという点では本書と「隠し部屋を査察して」が最高なのだとか。以前「SFマガジン」で短篇を翻訳紹介したときは読者から「いままで読んだ中で一番えげつない」と言われたそうです。(増田先生曰く「最高の褒め言葉」)
増田先生のプレゼンで印象に残ったのは『ワイドスクリーンバロック』という言葉です。物語をいかにとんでもなく語るか、徹底的に大きくして語るかが『ワイドスクリーンバロック』であり、その血筋を引くのがSFなのだと言います。最近読まれているライトノベル小説にもワイドスクリーンバロックがあり、代表的な作品は「転生したらスライムだった件」だそうです。「エリック・マコーマック作品は、まさにワイドスクリーンバロックです」とプレゼンは締めくくられました。

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紹介したのはH・P・ラヴクラフトの「インスマスの影-クトゥルー神話傑作選-」(南條竹則訳/新潮文庫)です。「南條さんの翻訳は完璧、文句なし!」「ラヴクラフトをはじめて読むならこの本から読んでほしい」と大絶賛でした。 

書籍:インスマスの影 :クトゥルー神話傑作選 /a>』
(H・P・ラヴクラフト,南條竹則(翻訳)/新潮社)

翻訳出版の裏事情が伺い知れる、質問コーナー

8名の翻訳家によるプレゼンが終わり、続いて会場からの質問コーナーへ。(太字は回答者。敬称略)

質問1.別の人が訳した本で「それ、自分が訳したかった」と思うことはどのくらいあるのか。

夏目 チャールズ・ダーウィン「種の起源」の全訳をやりたかったがすでに全訳版があるのでやらせてもらえず、結果として抄訳版を出すことになった。

小竹 ある児童書を訳すことになり、同じ作家の別の作品も面白かったので訳したくなった。出版社に企画を出して検討してもらっている間に全部訳してしまったのだが、そのタイミングで別の出版社から別の訳者で出てしまった。もうひとつ、編集者ともども気に入って出版に向けて動いていた作品があったのだが、そちらは編集者の手違いで別の出版社に版権をとられてしまった。

芹澤 どうしても訳したいと思って企画を持ち込んだりしても出してもらえなかったり他で出てしまうことはある。もう自分では訳すことのない作品なのだが、処分することもできないため、そういう本がズラッと並んでいる棚がある。その棚を『未練の棚』と呼んでいる。『未練の棚』の本は着々と増えている。

質問2.訳していて「イマイチだな」と思う作品はあるか。そういう本を訳すときの気持ちは?

夏目 ある作品の第2版から訳すことになった。最初はラッキーと思っていたが、初版訳が気に入らず結局全部訳し直すことになった。全然ラッキーじゃなかったけど、やっぱり自分が訳さないとダメだなと思った。

芹澤 「こんな本、訳すの?」「誰が読むの?」と思う作品はある。でも、数ヶ月じっくり向き合って訳していくうちに情が移ってかわいくなり、最後には「案外いいじゃん!」と思えてくる。ゲラになり、本になるにつれてどんどん良い作品に思えてくる。

越前 いろいろな事情で翻訳を引き受けることがある。翻訳者が本に対してとるスタンスは「絶賛する」「ほめる」「何もいわない」だと思う。自分が訳した本について多くを語らない場合は察してほしい。

質問3.翻訳されるのをずっと待ってる作品があるのだが、どこにお願いすればよいのか。 (質問者が翻訳を待っているのはマデリン・ミラーの「CIRCE」という作品)「アキレウスの歌」という作品はすでに翻訳されているが、ずっと待っているけどなかなかでない。

芹澤 出版社に言うのが一番いい(この場合は早川書房)。出版社も読者の声は気にしているので、直接メールしたりTwitterで発信したり、要望をどんどんあげると動くかもしれない。

木下 Twitterでどんどん拡散させるといいかもしれない。

越前先生からも会場の皆さんに協力を呼びかけていました。マデリン・ミラーの「CIRCE」が一日も早く翻訳出版されるといいですね。

質問4.日本語の本と原書では、どちらを読むことが多いのか?

谷川 中国語の本を読むことが多い。最近は、「愉楽」がTwitter文学賞を受賞したのをきっかけに翻訳された海外文学を読むようになった。

田中 日本語の本を読んでいる方が多いかもしれない。翻訳ものに面白い作品があるという情報が多いので翻訳作品を読んでいる。原書は、絵本や児童書、YAを読んでいる。

木下 ポルトガル文学は編集者もほとんど知らないので、自分で探して読んでいる。カバンには常にポルトガル語の本が入っている。仕事として読んでいることが多いので楽しいという感覚からは外れてしまう。日本語の本も読みたいと思っていて、年末年始は昨年スウェーデン語翻訳家のヘレンハルメ美穂さんからオススメされた「1793」を読んでとても面白かった。

増田 SF大会に関わっているので、SF大賞候補作を読んでいる(小川一水など)。原書では、現在ラナ・ハサウェイのSF評論の翻訳に取り組んでいるが、その英文がとても難しくて苦労している。書かれている内容はわかるのだが、いざ日本語にしようとするとうまく文章にできない。

 

 

団長・谷澤茜さんからのコメント

 

会場にも来ていた「はじめての海外文学」団長の谷澤茜(でんすけのかいぬし)さんからコメントをいただきました。


『はじめての海外文学』団長の谷澤茜です。
『はじめての海外文学』は、日本の小説はよく読むけど海外の小説はあまり読んだことないなぁ……という人へ、翻訳者さんがとっておきの本をオススメするというものです。 私と越前敏弥さんを中心に、翻訳者、書店員(だった人も)、出版社、取次、読者からなんとな~く集まっていつのまにか本格的にチーム化した雰囲気はユルく想いは熱いプロジェクトチームが主催しています。

今回のイベント終了後に『海外文学とか翻訳者さんのイベントって、もっと固いイメージがあったんですけどアットホームですね!』と声をかけていただきました。 このフェアを引き継いでから、ずっとそういう親近感がにじみ出ればいいなぁと思っていたのでとてもうれしかったです。
翻訳者のみなさんは気さくな方で話も面白くて物知りで(プレッシャーになるかな……)、本の話を始めるとなかなか止まりません(笑)私たちと同じで本が好きな人たちですから、共通点だってたくさんあるんですよ。
オススメされた本を読んでみたら、自分と好みが似ている翻訳者さんの訳書を検索してみてください。ノンフィクションを訳していたり、イベントによく出ていたりするので、そこからまた世界が広がります。

もうひとつ、『はじめての海外文学』は「本が好き!」のレビュアーさんたちが毎年応援読書会で盛り上げてくださるのですが、レビューを見ているだけでも楽しいのでそちらもぜひご覧ください。
翻訳者さんと読者さんとみんなでつくる『はじめての海外文学』、敷居は低く、扉をバァーン!と開けてお待ちしていますので、書店のフェアやイベントや読書会にぜひご参加ください!

終了後のサイン会の様子。参加者の皆さんはたくさんの本を購入して登壇者の先生たちにサインをもらっていました。

 

後編では、主催者の越前敏弥先生、芹澤恵先生にインタビューをお届けします。

はじめての海外文学スペシャルin大阪【後編】を読む



■参考
映画「9人の翻訳家~囚われたベストセラー」公式ホームページ
https://gaga.ne.jp/9honyakuka/
はじめての海外文学公式ホームページ
https://hajimetenokaigaibungaku.jimdofree.com/
はじめての海外文学Twitter
https://twitter.com/kaigaibungaku
梅田 蔦屋書店
https://store.tsite.jp/umeda/

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著者略歴

  1. 佐野隆広(タカラ~ム)

    本が好き!レビュアー(本が好き!レビュアー名:タカラ~ム)。はじめての海外文学フェアスタッフ。間借り本屋「タカラ~ムの本棚」店主
    11月から、はじめての海外文学vol.6がはじまりました。

    はじめての海外文学 公式サイト
    https://hajimetenokaigaibungaku.jimdofree.com/

    はじめての海外文学vol.6応援読書会(オンライン読書会)
    https://www.honzuki.jp/bookclub/theme/no395/index.html?latest=20

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