【作家を読む】 作家・脚本家 事件の裏にある人間の有様を描く 太田愛 おすすめ5選
太田愛さんという作家をご存知でしょうか? まずはプロフィールをご紹介します。
香川県生まれ。大学在学中よりはじめた演劇活動を経て、1997年テレビシリーズ「ウルトラマンティガ」で脚本家デビュー。「TRICK2」「相棒」など、刑事ドラマやサスペンスドラマで高い評価を得る。2012年『犯罪者 クリミナル』(上・下)で小説家デビュー。2013年に『幻夏』(日本推理作家協会賞候補)、2017年『天上の葦』を上梓。クライムサスペンスシリーズとして人気を博している。
単著はまだ3冊ですが、太田さんの作品に触れている方は多いはず。そう!TV版は現在、season18(18シリーズ目)を迎える大ヒットシリーズ『相棒』やギャグとシリアスのバランスが絶秒な『TRICK2』の脚本を手掛ける脚本家としての顔をもっている作家なのです。 骨太で、スケールが大きく、人間模様が複雑に交差する緻密なサスペンス。シリアスであり、エンタメとしても質の高い、そんな太田愛さんの作品をご紹介します。
脚本家・太田愛を読む
『相棒 -劇場版IV- 首都クライシス 人質は50万人! 特命係 最後の決断』の脚本を担当!
書籍:『相棒 劇場版4』
(太田愛 / KADOKAWA)
レビューを読む:https://www.honzuki.jp/book/275908/
「おまえたちのやったことは全部まるっとお見通しだ!」
書籍:『トリック〈2〉』
(蒔田光治,福田卓郎,太田愛 / KADOKAWA)
レビューを読む:https://www.honzuki.jp/book/275908/
作家・太田愛を読む
白昼堂々起こった通り魔事件の真相とは。著者デビュー作!
書籍:『犯罪者 上』(左)
『犯罪者 下』(右)
(太田愛 / KADOKAWA)
レビューを読む:https://www.honzuki.jp/book/245659/
https://www.honzuki.jp/book/254707/
『犯罪者』の続編。人が犯した罪は正しく裁かれ、償われるのか?
書籍:『幻夏』
(太田愛 / KADOKAWA)
レビューを書く:https://www.honzuki.jp/book/284313/
*ご紹介しているレビューは単行本のものになります
2019年11月21日に待望の文庫化!『天上の葦』
書籍:『天上の葦 上』(左)
書籍:『天上の葦 下』(右)
(太田愛 / KADOKAWA)
レビューを書く:https://www.honzuki.jp/book/284317/
https://www.honzuki.jp/book/284318/
*ご紹介しているレビューは単行本のものになります
終わりに
太田愛さんの作品『犯罪者』『幻夏』そして『天上の葦』は鑓水、相馬、修司の3人が登場するひとつのシリーズになっています。ストーリーが続きものなのではなく、毎回テーマは異なるので、どれから読んでも楽しむことができます。
続けて読むと、登場人物たちの成長という、ストーリーとは別の楽しみ方ができます。
クライムサスペンスの舞台設定はいずれも現代。時代の空気を反映しているため、読者は、例えば渋谷駅前の雑踏をリアルに思い描きながら、彼らに感情移入し、義憤に燃え、犯罪が人の人生に落とす影に涙する。
フィクションであるのに、読み終わったあとには、爽快感ではなく、澱のようなものが心に溜まる。それは太田さんが、事件の裏側にあるものを、人間の有様を見つめ続けているからではないでしょうか。 全作品が文庫で手に取れる好機です。ぜひこの世界を味わってみてください。