ミステリーにノンフィクション、ロマンス小説……翻訳家・吉澤康子の訳した英日文芸 お勧め3選
アメリカで初版20万部をたたき出し、東京創元社から4月21日に出版される『あの本は読まれているか』。こちらの翻訳も手掛け、他にも『夜ふけに読みたい数奇なアイルランドのおとぎ話』(平凡社)や『コードネーム・ヴェリティ』『ローズ・アンダーファイア』(創元推理文庫)など数々の日英翻訳をこなす翻訳家・吉澤康子さんを紹介します。
翻訳家・吉澤康子さんのプロフィール
まずは吉澤康子さんのプロフィールをご紹介します。
東京創元社や平凡社、祥伝社、KADOKAWAなど多くの出版社からたくさんの訳書を手掛ける吉澤康子さん。実は前職は中学校の英語教師とのこと。仕事をしながら家事や子育てもしつつ、さらに翻訳の勉強までしながらロマンス小説の翻訳トライアル(翻訳会社が実施する試験。十分な翻訳スキルを持っていることを証明するためのもの)に合格。田口俊樹氏、東江一紀氏などの翻訳家に師事し、先生や編集者から紹介される仕事を着実にこなしながらキャリアを積み上げてきました。
確かな手腕で生み出される吉澤康子さんの翻訳書の中からお勧めの3冊をご紹介します。
吉澤康子さん翻訳書3選
東京創元社から出版。第二次世界大戦を舞台とした傑作ミステリ
書籍:『コードネーム・ヴェリティ』
(東京創元社)
レビューを読む:https://www.honzuki.jp/book/246021/
続編の『ローズ・アンダーファイア』の書評はこちら
知らなかった魅力的なヨーロッパのおとぎ話
書籍:『夜ふけに読みたい 不思議なイギリスのおとぎ話』
(平凡社)
レビューを読む:https://www.honzuki.jp/book/275354/
訳者あとがきによると、日本で読まれてきたイギリスのおとぎ話はジェイコブス版とのことです。
しかし地方や時代、編者によって物語の雰囲気は変わります。(たけぞうさん)
続編の『夜ふけに読みたい奇妙なイギリスのおとぎ話』の書評はこちら
続々編『夜ふけに読みたい数奇なアイルランドのおとぎ話』の購入はこちら
冷戦下、一冊の本で世界を変えようと考えた人々の物語(最新刊!)
書籍:『あの本は読まれているか』
(東京創元社)
レビューを読む:https://www.honzuki.jp/book/286955/
冷戦下のアメリカ。ロシア移民の娘であるイリーナは、CIAにタイピストとして雇われるが、実はスパイの才能を見こまれており、訓練を受けてある特殊作戦に抜擢される。その作戦の目的は、反体制的だと見なされ、共産圏で禁書となっているボリス・パステルナークの小説『ドクトル・ジバゴ』をソ連国民の手に渡し、言論統制や検閲で迫害をおこなっているソ連の現状を知らしめることだった。――そう、文学の力で人々の意識を、そして世界を変えるのだ。一冊の小説を武器とし、危険な任務に挑む女性たちを描く話題沸騰の傑作エンターテインメント!