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monthly bookreview ranking

人生にも旅にも行き詰った時、「あなたは帰る場所がありますか?」今月の1位は、道後温泉を舞台に描かれる天童流理想郷『巡礼の家』(文藝春秋)

本好きが集い、書評を投稿する読書コミュニティ「本が好き!」の 2019年12月の月間人気書評ランキングを発表します。 (同じレビュアーさんが違う書評でランクインしていた場合はより上位の書評のみを掲載しています。つまり2019年12月で、投票数が上位だった10人の書評が掲載されています)

1位
巡礼の家
書籍:巡礼の家
(天童荒太/文藝春秋)
レビュアー:darklyさん 得票数:41
書評掲載日:2019-12-03 21:22:20
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/284071/review/237756/

 

私の住む街を舞台にした心温まる物語。ギスギスした人間関係に疲れている方にお薦めします。
「人を殺してしまった・・・」森を彷徨う雛歩は体力の限界を迎え意識が遠のいていく中で綺麗な女性から問いかけられた。「あなたは帰る場所がありますか」と。雛歩が気付くとそこは「さぎのや」というお遍路宿であった。助けてくれた女将さんを始めとしてその家族やそこで働く人々の献身的な介抱により雛歩は元気を取り戻す。…続きを読む

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2位
ヴァイオリン職人と消えた北欧楽器
書籍:ヴァイオリン職人と消えた北欧楽器
(ポール・アダム/東京創元社)
レビュアー:かもめ通信さん 得票数:40
書評掲載日:2019-12-20 10:21:12
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/283562/review/237928/

この本を読んだらヴァイオリンに似た民族楽器ハルダンゲル・フィドルの調べを確認したくなること間違いなし!その音色を聴いたら踊りだしたくなること間違いなし!そしてまたジャンニに会いたくなること間違いなし!
物語の主人公ジャンニは、愛する妻に先立たれた60代のヴァイオリン職人。
確かな腕と誠実な人柄は、業界でも有名だ。
自ら作るだけでなく、後継者の育成にも力を注いでいて、長年、ヴァイオリン製作学校の講師も勤めてきた。
物語はそんなジャンニの20年前の教え子であるノルウェー人のリカルドが、久々にイタリア・クレモナにある母校を訪れ講演を行う場面で幕を開ける。…続きを読む

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3位
せいめいのれきし 改訂版
書籍:せいめいのれきし 改訂版
(バージニア・リー・バートン/岩波書店)
レビュアー:ぽんきちさん 得票数:36
書評掲載日:2019-12-02 08:14:53
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/245681/review/237662/

生命の長い長い歴史。そしてその一部である私たち。(オンライン読書会<「科学道100冊2019」に挑んでみる!?>参加レビュー #科学道100冊 #本が好き)
バージニア・リー・バートンによる古典的絵本。
地球上に生命が生まれたときから今までのおはなしを美しい絵とともに語っていきます。 5幕の劇仕立てになっているのが楽しいところ。
プロローグは宇宙の始まりから。
第1幕は古生代。
第2幕は中生代。
第3幕は新生代。
第4幕はにんげんの時代。
第5幕は現代のひとびとの生活。
そしてエピローグ。
…続きを読む

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4位
失われた時を求めて〈3〉第二篇・花咲く乙女たちのかげに〈1〉
書籍:失われた時を求めて〈3〉第二篇・花咲く乙女たちのかげに〈1〉
(マルセルプルースト / 光文社)
レビュアー:Yasuhiroさん 得票数:33
書評掲載日:2019-12-02
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/238550/review/236280/

いよいよ第二篇が始まるがまだ「花咲く乙女たち」は登場しない。悶々としたジルベルトへの思慕の思いが「いじいじ」綴られるとともに、モーブ(薄紫)色のスワン夫人とそのサロンが「華麗」に語られる。
マルセル・プルースト畢生の大作「失われた時を求めて」も第三巻に入り、第二篇「花咲く乙女たちのかげに」が始まります。本巻には第一部「スワン夫人のまわりで」が収録されています。
  まだ「花咲く乙女たち」は登場せず、第一部の「土地と名・名」の続き的な内容で、「私」の初恋の人ジルベルト・スワンへのひたすら悶々とした思慕の思いと、スワン家に出入りできるようになり知ったスワン夫妻や夫人のサロンでの上流階級の人々の様子が描かれています。…続きを読む

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5位
サラの鍵
書籍:サラの鍵
(タチアナ・ドロネ / 新潮社)
レビュアー:紅い芥子粒さん 得票数:32
書評掲載日:2019-12-31
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/45392/review/239023/

ユダヤ人の少女は、鍵を握りしめ、脱走した。死の「ヴェルディヴ」から。弟との約束を果たすために……
1942年7月16日早暁。パリ、およびその近郊に住む13,000人余りのユダヤ人が、フランス警察によって一斉に検挙され、ヴェルディヴとよばれる屋内競技場に押し込められた。
六日後、彼らのほぼ全員が、アウシュビッツに運ばれ、虐殺される。
当時、フランスは親独政権。フランス政府のナチスへの、いわば忖度によって、引き起こされたユダヤ人虐殺だった。

この小説は、ヴェルディヴから勇気ある脱出を遂げた少女と、その少女のその後を追うアメリカ人ジャーナリストの物語である。…続きを読む

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6位
檸檬
書籍:檸檬
(梶井基次郎 / 新潮社)
レビュアー:Jun Shinoさん 得票数:31
書評掲載日:2019-12-06
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/19572/review/237874/

劇中で主人公が檸檬を置いた京都の丸善で買ってきました。。
積み重ねた本の上に檸檬が置かれたのは京都の丸善。京都行って丸善で限定復刻カバーの「檸檬」買ってきた。
実を言うと当時の丸善は京都市内の別のところにあり、一旦閉店して、最近一番の繁華街、四条河原町のビルに新規オープンした。京都に紅葉狩に行ったついでに立ち寄り、当然のように設置されている檸檬コーナーで「丸善150周年記念 限定復刻カバー版」を買ってきて、丸善の紙ブックカバーで読んだ。…続きを読む

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6位
天地明察
書籍:天地明察
(冲方丁/ KADOKAWA)
レビュアー:ことなみさん 得票数:31
書評掲載日:2019-12-05
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/12738/review/237837/

「暦」はこうして編纂されたのか。 読みやすく、人情話を交えて、言葉遣いも現代的、新しい世界を見たような一冊だった。
将軍や大名に碁を指南する名家に生まれた渋川晴海は、譜面にある碁を打つことに飽いていた。
彼は、奉納の絵馬の中に算額というものがあるのを知る。

そこで、算術と衝撃的な出会いをする、掲げられた算額の問題にてんでに答えを書き込んであるのだが、中でも「関」という人物が即答して、出題者は「明察」と書いてある。彼は問題と回答を見て心身が震えた。 …続きを読む

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6位
ネギをうえた人―朝鮮民話選
書籍:ネギをうえた人―朝鮮民話選
(金素雲 / 岩波書店)
レビュアー:ぱせりさん 得票数:31
書評掲載日:2019-12-12
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/56296/review/233483/

ほーら、お話がはじまるよ。
韓国の民話が33編おさめられている。
恐ろしい動物の筆頭としてのトラや、妖術を使って人にイタズラを仕掛けるトクカビ(小鬼)。
日本の民話にはまず出てこない役者たちに、わくわくする。

天の国のお姫様が、下界に指輪を落としたことがきっかけになって、この世に山や川ができたというおおらかな創世のお話から始まって、天、地、地の底、海の底などを舞台にして、ものいう動物たち、不思議ないきもの、道具、利口者やばか者、情け深い人や狡い人などが現れて、お話の世界は賑やかだ。…続きを読む

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9位
まぐだら屋のマリア
書籍:まぐだら屋のマリア
(原田マハ / 幻冬舎)
レビュアー:morimoriさん 得票数:30
書評掲載日:2019-12-24
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/214608/review/238677/

人生の希望を失った主人公、紫紋がたどり着いた場所「尽果」。崖っぷちにある定食屋「まぐだら屋」には、何も問わずに受け入れてくれる人たちの温かさがあった。
東京神楽坂の老舗料亭「吟遊」で修業していた紫紋(シモン)には、いつか自分の店を持ちたいという夢があった。しかし、内部告発による偽装事件発覚により夢も仲間も失い、濡れ衣を着せられた後輩の自殺により生きる希望を失った。有り金をはたいて東京を脱し、最後の所持金を使い果たしてバスを降りた。その場所は、「尽果」崖っぷちにたつ小屋を今の自分に見立て、目指して歩いていくとそこは、「まぐだら屋」という食堂だった。…続きを読む

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9位
復活の日
書籍:復活の日
(小松左京 / KADOKAWA)
レビュアー:マーブルさん 得票数:30
書評掲載日:2019-12-16
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/268770/review/238392/

『日本沈没』とは対極の「静かなる破滅」。SFとして傑作なのはもちろんだが、人類の文明や思想についても考えさせられる。
 沈む大地、吠える山。
 対して、
 静かなる破滅。見えない恐怖。
 それは、人類の愚かさの果てか。

 インフルエンザ流行の時期に読むと、さらに背筋がゾクゾクとするものを感じる。

 手にしたのは四度目。
 最初は映画化された高校生の頃だった。震災後の今では『日本沈没』の描く恐ろしさも身に迫る思いがするが、以前はこちらの方がずっと恐怖を感じたものだ。…続きを読む

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9位
華麗なる古都と古城を訪ねて
書籍:華麗なる古都と古城を訪ねて
(藤本ひとみ / 中央公論新社)
レビュアー:DBさん 得票数:30
書評掲載日:2019-12-23
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/22094/review/232538/

城をめぐる歴史と物語の本
藤本ひとみといえばコバルト時代によく読んだ懐かしさがあります。
その後ちょっと大人向けにシフトチャンジして、塩野七生のフランス版を目指しているんだろうなって気はしていた。
エジプトにウズベキスタンとイスラム文化圏を続けて旅したので、次の旅行はヨーロッパでもいいかなと思いつつページをめくる。
フランスを中心にイタリア、ウィーンと紹介しています。
そしてその城で活躍した有名人を紹介する。…続きを読む

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  1. 365bookdays編集部

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