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monthly bookreview ranking

今月の1位は、児童文学作家のエッセイ『ぼくはただ、物語を書きたかった。』(西村書店)&『話すことを選んだ女性たち』(日経ナショナルジオグラフィック社)

本好きが集い、書評を投稿する読書コミュニティ「本が好き!」の 2022年4月の月間人気書評ランキングを発表します。 (同じレビュアーさんが違う書評でランクインしていた場合はより上位の書評のみを掲載しています。つまり2022年4月で、投票数が上位だった10人の書評が掲載されています)

1位
ぼくはただ、物語を書きたかった。
書籍:ぼくはただ、物語を書きたかった。
(ラフィク・シャミ、松永美穂/西村書店)
レビュアー:かもめ通信さん 得票数:31
書評掲載日:2022-04-07 21:29:25
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/304283/review/274504/

1971年3月、3分の1がぎっしり書き込まれたノートで占められているスーツケースを持って、作家はフランクフルトの空港に降り立った。もう二度と祖国には戻れないと覚悟して。

1971年3月、3分の1がぎっしり書き込まれたノートで占められているスーツケースを持って、作家はフランクフルトの空港に降り立った。 もう二度と祖国には戻れないと覚悟して。 本書はシリアからの亡命作家ラフィク・シャミが2017年にドイツで出版した自伝的エッセイの翻訳版だ。…続きを読む

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1位
話すことを選んだ女性たち 60人の社会・性・家・自立・暴力
書籍:話すことを選んだ女性たち 60人の社会・性・家・自立・暴力
(ヤン・アルテュス=ベルトラン、アナスタジア・ミコバ、ナショナルジオグラフィック、清水玲奈/日経ナショナルジオグラフィック社)
レビュアー:休蔵さん 得票数:31
書評掲載日:2022-04-15 15:10:53
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/305886/review/274581/

本書は女性たちの本音をまとめた1冊。自分の偏ったものの見方・考え方に気付かせてくれました。

「#Me Too」運動をきっかけに、世界的なセクハラ告発の機運が高まった。きっかけは2017年10月、ハリウッドの映画プロデューサーによるセクハラ疑惑が報じられたこと。運動の影響は日本にもおよんだようだが、それほど大きなものにはならなかったと思う。  そして、今、新たな問題が日本で巻き起こっている。…続きを読む

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3位
無限の書 (創元海外SF叢書)
書籍:無限の書 (創元海外SF叢書)
(G・ウィロー・ウィルソン/東京創元社)
レビュアー:darklyさん 得票数:30
書評掲載日:2022-04-04 20:04:23
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/245550/review/274552/

最先端コンピュータ技術と古の物語が融合した物語だが、妙に理屈っぽくならず、女性らしくフワッとしたファンタジー。中東の政治・社会への風刺とも言える物語。

ペルシャ湾の専制国家に住むアリフはハッカーであり、体制側の取り締まりからIT技術でクライアントを守る仕事をしている。彼は生粋のアラブ人ではなく混血であることからその国での未来はたかが知れている。そしてアリフは現在インティサルという身分違いのお嬢様と恋に落ちている。しかしインティサルは父親のきめた相手と結婚せざるを得なくなる。…続きを読む

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4位
緑の天幕
書籍:緑の天幕
(リュドミラ・ウリツカヤ/新潮社)
レビュアー:ぱせりさん 得票数:29
書評掲載日:2022-04-12 05:09:55
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/303865/review/274503/

「文学っていうのは、人間が生き延び、時代と和解するのを助けてくれる唯一のものなんです」

スターリンの死の前後から始まる二十世紀後半のソ連、とりわけモスクワの町を、この時代を生き抜いた人々を追うことで描き出す。あるいは、この時代のソ連を背景に、様々な生き方(生かされ方も含めて)をした一人ひとりの人生を辿る。…続きを読む

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5位
素数たちの孤独
書籍:素数たちの孤独
(パオロ・ジョルダーノ/早川書房)
レビュアー:紅い芥子粒さん 得票数:28
書評掲載日:2022-04-06 10:58:07
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/760/review/274603/

生きづらさを抱え、孤独を宿命のようにしながら、どうにかこうにか現実と折り合いをつけて生きている、不器用な人たち。この世に存在する無限の素数たちに祝福あれ。

素数とは、2以上の自然数で、正の約数が1と自分自身のみであるもののこと。 1,2,3,……と、順に紙に自然数を書き並べてみる。どこまでも無限に続く自然数の列に、素数は尽きることなく現れる。 物理学者でもある作者には、紙の上に列をなす自然数たちが、人間のように見えるのかもしれない。いわれてみれば、1と自分自身しか約数をもたないなんて、1本の固い棒のようだ。無理に割ろうとすると、ポキンと折れてしまう。 これが人なら、さぞ生きづらいだろうと思う。…続きを読む

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5位
裸の華
書籍:裸の華
(桜木紫乃/集英社)
レビュアー:三太郎さん 得票数:28
書評掲載日:2022-04-04 17:52:51
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/278345/review/274502/

元ストリッパーのフジワラ・ノリカが札幌のススキノで開店したショーパブ「NORIKA」と二人の若い女性ダンサーの物語。

桜木紫乃さんの小説を読むのは「ホテルローヤル」 についで二冊目です。この作品はホテルローヤルの3年後に発表されています。ホテルローヤルは短編集でしたが、こちらは長編で作者の個性がより分かり易いのかも。…続きを読む

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7位


書籍:新訳リチャード三世
(ウィリアムシェイクスピア/角川書店)
レビュアー:ぽんきちさん 得票数:27
書評掲載日:2022-04-19 18:50:25
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/101625/review/275127/

ロンドン塔で子供2人を殺させた醜い王、リチャード三世

シェイクスピア初期の戯曲。 16世紀末の完成以来、ピカレスク(悪漢)ロマンとして、今日に至るまで、さまざまな脚色で上演され続けている。歴史劇としては「ヘンリー六世・三部作」の続編にあたる。 醜い「せむし」として嘲笑われてきたグロスター公リチャードが、権力を手にすることで周囲のすべての人々に復讐を遂げようと野心を燃やし、暴虐と謀略によって王位につき、しかしやがては転落していくまでの物語である。…続きを読む

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7位
古本食堂
書籍:古本食堂
(原田ひ香/角川春樹事務所)
レビュアー:薄荷さん 得票数:27
書評掲載日:2022-04-27 14:18:02
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/305327/review/275496/

紙の本と、美味しいものを愛する全ての方に。

一言言わせていただきましょう。この本、絶対すっっっごく面白いよっ!だって、舞台は神保町の古本屋さんだし、面白そうな本がたくさん出てくるし、実際食べに行ける美味しいものがおいしそうに描かれてるし、お話が優しい!面白くないわけ無いじゃん?!…続きを読む

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9位
科学と仮説
書籍:科学と仮説
(ポアンカレ、伊藤邦武/岩波書店)
レビュアー:ゆうちゃんさん 得票数:24
書評掲載日:2022-04-06 21:35:55
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/306245/review/274621/

古典物理学や数学の幾何学にさえおいても、未だに仮説を前提に理論が構築されている。そうした仮説の有用性や限界を論じた20世紀初頭に書かれた科学論。科学の世界を深く理解したい人いに必須の本。

仮説→実験→検証を繰り返し、定説となって行くのが科学の発展とされている。この場合、仮説とは実験を計画するときの予測とか実験結果の解釈の方法くらいの意味である。本書で言う仮説もこの範疇にあると言えばあるのだが、法則そのものが仮説、検証できない定説、と言ったような意味でも使われており、広く数学や物理学のこのような多くの事例が語られる。…続きを読む

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9位
ローソン短篇集
書籍:ローソン短篇集
(ローソン、伊沢龍雄、伊沢龍雄/岩波書店)
レビュアー:hackerさん 得票数:24
書評掲載日:2022-04-01 20:05:13
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/300946/review/274421/

オーストラリアでブッシュと呼ばれる地方若しくは森林地帯に生きる人間や動物の姿を、独特のユーモアと無常観をもって描いた詩人であり小説家だったヘンリー・ローソンの短篇集です。

ゆうちゃんさんの書評でこの本のことを知りました。感謝いたします。 オーストラリアの詩人・小説家、ヘンリー・ローソン(1867-1922)はWikipedia によると、10オーストラリア・ドル紙幣の肖像にもなったこともあり、オーストラリアでは広く知られた存在のようです。ただ、14歳で聴覚を失い、晩年はアルコール依存症となって「シドニーの路上では常習的に乞食をしていた」そうですが、「恐らくオーストラリアで最もよく知られた名士」でもあったので、死んだ時は国葬されたという、ちょっと変わった生涯を送りました。…続きを読む

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9位
塞王の楯
書籍:塞王の楯
(今村翔吾/集英社)
レビュアー:三毛ネコさん 得票数:24
書評掲載日:2022-04-27 05:16:20
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/302927/review/275474/

面白い小説で、直木賞を取ったのも分かります。最強の楯と矛の激突は必読です!

匡介(きょうすけ)が主人公。匡介は穴太衆(あのうしゅう)という、石垣造りを専門にする石工の集団に属している。その頭が飛田源斎といい、天才と称されている。その跡継ぎが匡介である。…続きを読む

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  1. 365bookdays編集部

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