今月の1位は、人類の暮らしを一変させた発明・発見を時系列に紹介した『世界の発明発見歴史百科』(原書房)
本好きが集い、書評を投稿する読書コミュニティ「本が好き!」の 2021年4月の月間人気書評ランキングを発表します。 (同じレビュアーさんが違う書評でランクインしていた場合はより上位の書評のみを掲載しています。つまり2021年4月で、投票数が上位だった10人の書評が掲載されています)
1位
書籍:『世界の発明発見歴史百科』
(テリーブレヴァートン/原書房)
レビュアー:ぽんきちさん 得票数:41
書評掲載日:2021-04-03 11:47:27
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/296944/review/260028/
先史時代から現代まで。連綿と続く発明発見のあれこれ。
「科学道100冊2020」の1冊。
科学技術の発展の陰には、多くのブレークスルーがある。つまり、それまでの壁を打ち破る大きな発明・発見が、飛躍的な進歩の足掛かりとなってきたわけだ。
本書では、そんなブレークスルーの数々を時系列的に見ていく。
章立ては7つに分けられ、それぞれ、先史時代、古代(紀元前、紀元後)、ルネサンス、産業革命、第二次産業革命、電気・電子の発展期、デジタル期。
それぞれの時代を画した発明発見を、その名称、年(年代)、発明・発見者、発明・発見の場所と併せて紹介する。…続きを読む
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2位
書籍:『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本』
(武田友紀/飛鳥新社)
レビュアー:darklyさん 得票数:40
書評掲載日:2021-04-13 20:38:24
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/273650/review/260365/
テレビ等でも話題となった「繊細さん」の本。あっという間に読めるにも関わらず参考になることも多く、自分が少しでも「繊細さん」かなと思う方は読んで損はないと思います。
本書は一時話題となったHSP(Highly Sensitive Person)について書かれた本でありベストセラーとなりました。私自身も結構当て嵌まる部分があるのかなと思い手に取ってみました。そもそも病気ではないため明確な定義があるというわけでもなさそうで、「まあそういう傾向にあるよね」と言った感じでしょうか。…続きを読む
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3位
書籍:『妄想書評』
(絲山秋子/)
レビュアー:かもめ通信さん 得票数:37
書評掲載日:2021-04-16 07:04:29
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/296612/review/260077/
あれもこれも面白そう!
作家絲山秋子さんによる書評集。ネットでの連載が打ち切りとなったエッセイを、 地元の印刷会社さんの協力を得てまとめた自費出版の小冊子なのだそうで犬が本を読んでいる表紙イラストも絲山秋子さんご自身によるものなのだとか。手ざわりも心地よい著者のサイン入りのお宝本。…続きを読む
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4位
書籍:『河童が覗いたインド』
(妹尾河童/新潮社)
レビュアー:休蔵さん 得票数:35
書評掲載日:2021-04-19 07:16:00
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/41694/review/260137/
妹尾河童が覗いて記録したインド。それは今では失われてしまったインド。今の日本の景観も直に失われてしまうことを突き付けられる1冊。
新型コロナウイルスの世界的流行は、自由な海外渡航を奪い取ってしまった。国内旅行すら今だに躊躇してしまう。何の気兼ねもなく旅に洒落込めたらいいのだが、性格的になかなか行動に移せない。そんな状況下でありがたいのは本である。世の中、さまざまな切り口の旅行本が出版されている。旅行本でなくとも、異国情緒を味わうことのできる本も数多ある。本書は後者の例として最高峰の部類に位置付けられる1冊だ。…続きを読む
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4位
書籍:『西部戦線異状なし』
(レマルク/新潮社)
レビュアー:紅い芥子粒さん 得票数:35
書評掲載日:2021-04-15 17:21:08
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/78492/review/260498/
志願兵パウル・ボイメルは、1918年10月に戦死した。その日は全戦線にわたって、きわめて静かでおだやかだったという。
1929年に発行された小説。戦争を描いて、不朽の名作と名高い。 作者のレマルクは、1898年生まれ、1914年に始まった第一次世界大戦には、中学生のときに「学徒出陣」としてひっぱり出されたという。…続きを読む
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6位
書籍:『影』
(カーリンアルヴテーゲン/小学館)
レビュアー:ことなみさん 得票数:33
書評掲載日:2021-04-07 16:35:21
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/24897/review/260189/
ノーベル文学賞を受けた作家の持つ光と影、その家族と、かかわった人々の人生。カーリン・アルヴテーゲンの5作目
カーリンの著作はシリーズになっていないので、順不同で手に入った順に読んできた。そしてここまできて、彼女の作品の拠り所というか底に見える形が分かりかけてきた。 まず何か障害にぶつかった後にそれを乗り越え、読者を安心させる。生きていれば訪れる大小の逆境と思われる時期、人生の闇に落ち、憎悪し、悲哀の淵に沈む、その絶望の時期を辛くも乗り越えてきた再生の過程などが作品ごとのテーマに形を変えている。そんな繰り返しで、読者は主人公と共に悲喜こもごもの時間を過ごす。…続きを読む
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7位
書籍:『そして誰もいなくなった』
(アガサ・クリスティー/早川書房)
レビュアー:ぱせりさん 得票数:32
書評掲載日:2021-04-04 08:17:41
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/152161/review/259233/
タイトル「そして誰もいなくなった」とは文字通りの意味があるけれど、その意味をそのまま素直に受け取ったら、そんな馬鹿な、と思う。
デヴォン州の海岸沖にある小島「兵隊島」の豪奢な邸宅に、正体不明の主から招待(雇用)された10人の客と使用人は、実は、過去に重い罪を犯している。それにも関わらず法で裁かれることがなかった。(できなかった)
島での初日の夕食後、どこからか流れてきたのは、十人それぞれの罪状を読み上げる声だった。そして、まるで断罪のように、一人、一人、姿の見えない殺人者に殺されていく。…続きを読む
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7位
書籍:『コーヒーが廻り世界史が廻る―近代市民社会の黒い血液』
(臼井隆一郎/中央公論社)
レビュアー:三太郎さん 得票数:32
書評掲載日:2021-04-17 09:45:10
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/26611/review/260524/
16世紀のイスラム国家でのコーヒーハウスの大流行が今日のコーヒーの隆盛のもとだった。アラビアのメッカはコーヒーにとっても聖地であった。
コーヒーの歴史に関する本はこれまでもレビューしてきたが、本書ではメッカからイスタンブールへ、イスラム圏でコーヒーハウスが広がっていく様子が描かれていて、目からうろこが落ちたよう。 コーヒーはもとはイスラムのワインだったのだ。正確にはイスラムの大都市では、居酒屋でワインの代わりにコーヒーが合法的に提供されるようになり、同時代の欧州の宿屋兼居酒屋のような地域の社交場になっていたらしい。…続きを読む
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9位
書籍:『ギザの大ピラミッド:5000年の謎を解く (「知の再発見」双書)』
(ジャン=ピエールコルテジアーニ/創元社)
レビュアー:DBさん 得票数:31
書評掲載日:2021-04-24 06:45:03
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/297451/review/260553/
ピラミッドの謎と調査の本
ギザの三大ピラミッドといえば、世界中の人に知られている観光スポットだ。わたしも一昨年金字塔を拝みに行きましたが、その巨大さにただ圧倒されました。ジェゼル王の階段ピラミッドをはじめとして百基以上のピラミッドが作られているが、やはり一番有名なのはギザの三大ピラミッドだろう。…続きを読む
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9位
書籍:『電柱鳥類学: スズメはどこに止まってる?』
(三上修/岩波書店)
レビュアー:ぱせりさん 得票数:31
書評掲載日:2021-04-18 05:11:37
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/297343/review/260373/
森林鳥類学や河川鳥類学があるように、電柱(電線を含む)を利用する鳥を研究する電柱鳥類学がある
森林鳥類学や河川鳥類学があるように、電柱(電線を含む)を利用する鳥を研究する電柱鳥類学がある、と鳥類学者、三上修さんはいう。電線に止まっている鳥たちにはどんな鳥がいるのか。電線のそもそもどのあたり(垂直方向なら上か下か、水平方向なら真ん中か端っこか)にとまっているのか。鳥の種類によって止まる場所に違いがあるのか。なぜそこに止まるのか。そして、なぜ鳥は感電しないのか。…続きを読む
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9位
書籍:『羅生門・鼻』
(芥川龍之介/新潮社)
レビュアー:すずはら なずなさん 得票数:31
書評掲載日:2021-04-02 21:29:27
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/19528/review/259578/
教科書に載らない(載せられない!)「好色」が色々な意味で面白かったのよと コソっと言ってみる。
前回の「お富の貞操」に続き 芥川王道でないところに面白いものを見つけたヨロコビがありました。いえいえ、有名な「羅生門」も「鼻」も「芋粥」もちゃんと読むのは初めてな気がします。じっくり味わって読ませて頂きました。 …続きを読む
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