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monthly bookreview ranking

今月の1位は、実在する1冊の本をめぐり冷戦下で躍動した女性たちの物語『あの本は読まれているか』(東京創元社)

本好きが集い、書評を投稿する読書コミュニティ「本が好き!」の 2020年5月の月間人気書評ランキングを発表します。 (同じレビュアーさんが違う書評でランクインしていた場合はより上位の書評のみを掲載しています。つまり2020年5月で、投票数が上位だった10人の書評が掲載されています)

1位
あの本は読まれているか
書籍:あの本は読まれているか
(ラーラ・プレスコット/東京創元社)
レビュアー:かもめ通信さん 得票数:39
書評掲載日:2020-05-25 05:26:17
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/286955/review/244451/

「あの本」が好きな人も、「あの本」を読んだことがない人も、そして、正直「あの本」はイマイチだと思っている人でさえも楽しめるってすごいことではないかしら。

発売が決まる前から大きな話題を呼び、アメリカで初版20万部、世界30カ国で翻訳が決定しているという、東京創元社の激推し作品。

『コードネーム・ヴェリティ』をはじめ、今最も注目を浴びている翻訳家の一人、やまねこ翻訳クラブの吉澤康子さんによる翻訳。
となれば、読まないわけにはいかないでしょう! というわけで読んでみた。
発売前から購入予約をしていたこともあって、事前の情報は少ない方がいいと、プルーフ版で一足先に読まれた方たちのレビューには目を通さずにいたのだが、漏れ聞いたところで「あの本」とは『ドクトル・ジバコ』だということだけは知っていた。…続きを読む

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2位
アンジェリーナ―佐野元春と10の短編
書籍:アンジェリーナ―佐野元春と10の短編
(小川洋子/角川書店)
レビュアー:darklyさん 得票数:38
書評掲載日:2020-05-27 20:30:00
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/180096/review/245531/

佐野元春の楽曲からイメージした10の物語。佐野元春が好きな人はもちろん、知らない方でも十分に楽しめます。なんといっても小川洋子さんの短編集ですから。

ジャネイロさんの書評を拝読させていただき読もうと思っていた一冊です。本書には小川洋子さんが佐野元春さんの曲からイメージして書いた10の物語が収められています。私は小川洋子さんの小説も好きなのですが、それ以上に佐野元春のファンなのです。曲もさることながら歌詞がとても好きで、詩人という肩書を併せ持つ彼の惚れ惚れするクールな歌詞は読むだけで楽しいのです。…続きを読む

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3位
逆ソクラテス
書籍:逆ソクラテス
(伊坂幸太郎/集英社)
レビュアー:Yasuhiroさん 得票数:36
書評掲載日:2020-05-05 19:59:47
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/287940/review/244409/

伊坂幸太郎20年のキャリアの結実となる、少年少女の物語。あいかわらず飄々とした筆致で語られる伊坂流教育論はしなやかで靭い。

私のお気に入りの作家伊坂幸太郎待望の新作で、少年少女の学校生活の思い出を描いたライトな作品集となっています。
  あいかわらず飄々とした筆致なのでファンとしては安心して読めるのですが、彼にしては珍しく低年齢層を主人公に持って来たな、と思いました。…続きを読む

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4位
玉藻の前
書籍:玉藻の前
(岡本綺堂/中央公論新社)
レビュアー:ぽんきちさん 得票数:34
書評掲載日:2020-05-04 09:07:40
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/285171/review/244392/

金毛九尾の妖狐は、幼恋の夢を見るか

表題作は、岡本綺堂、大正6年発表の長編伝奇小説。中公文庫版はこれに加え、付録として短編「狐武者」を収録。
玉藻前(たまものまえ)伝説というものがある。 玉藻は鳥羽上皇の寵姫であったとされる。妖艶な美しさに加え、和歌などの才にも長け、女官から徐々に出世していく。だがそれにつれて上皇は病に伏せるようになり、医師らも治すことはできなかった。…続きを読む

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5位
盤上遊戯の世界史 - シルクロード 遊びの伝播
書籍:盤上遊戯の世界史 - シルクロード 遊びの伝播
(増川宏一/平凡社)
レビュアー:休蔵さん 得票数:32
書評掲載日:2020-05-11 07:02:42
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/268156/review/210494/

遊ぶということは、どうやら人間の本質のようです。ならば、それを介して活躍する術があるに違いない。1億総活躍社会を目指す日本において、人間の本質の一端を掘り下げる本書は、必読の1冊なのかもしれません。

久しぶりの中学生棋士、藤井聡太の登場で、将棋界が脚光を集めている。
 しかも、ただの中学生棋士ではなく、新記録の樹立や羽生善治や佐藤天彦に勝利するなど話題も尽きない。
 そんな将棋も含めた盤の上で駒を扱うものを盤上遊戯というらしい。
 本書は、盤上遊戯全般の歴史について取り扱った1冊である。…続きを読む

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5位
献灯使
書籍:献灯使
(多和田葉子/講談社)
レビュアー:紅い芥子粒さん 得票数:32
書評掲載日:2020-05-18 20:27:30
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/252786/review/245045/

百歳を超えた曾祖父が、小学生の曾孫を、ひいじいの手ひとつで育てている――この尋常ではない世界。

百歳を超えた義郎と、小学生の無名の物語である。 義郎と無名の関係は、曾祖父と曾孫。
無名という名前が変だ。
どこかの文豪の家に迷い込んだ子猫じゃあるまいし。
でも、もしかしたら、そういうつもりの名前なのかもしれない。
曾孫に無名という名前をつけたのは義郎で、義郎の職業は小説家だから。…続きを読む

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7位

書籍:河童が覗いたインド (講談社文庫)
(妹尾 河童/講談社)
レビュアー:DBさん 得票数:30
書評掲載日:2020-05-16 12:37:44
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/287839/review/244239/

インド旅行に必須の本

魔境インドに旅人ひとり。
妹尾河童という名前を聞いたことがあるような、と思いつつ読んだあとで著者略歴を見てみる。
グラフィックデザイナーを経て舞台美術の専門家となったということですが、なんと1930年生まれだった。
本が上梓されたのが2000年なので、きっと60代後半くらいの時の旅なんだろう。…続きを読む

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8位
『罪と罰』を読まない
書籍:『罪と罰』を読まない
(岸本佐知子、三浦しをん、吉田篤弘、吉田浩美/文藝春秋)
レビュアー:たけぞうさん 得票数:29
書評掲載日:2020-05-05 20:35:07
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/233057/review/243952/

妄想まみれのこんな読書会があったら楽しいよね。

岸本佐知子さんの近著「ひみつのしつもん」が抜群に面白かったと話したら、
Kuraraさんにこの本を薦めてもらいました。
わたし、三浦しをんさんのエッセーは大好きで、
家族ともどもお世話になっています。喜んで手に取りました。
読書会の参加者は以下の五名です。…続きを読む

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9位

書籍:人間失格
(太宰治/新潮社)
レビュアー:ゆうちゃんさん 得票数:28
書評掲載日:2020-05-03 18:34:37
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/9927/review/243628/

 

人間の心がわからない男の半生。彼は道化を演じることで自分をごまかし、運命の転変でどうしようもない廃人として一生を送ることになる。心に闇を持つのは果たして本書の主人公か、それとも他の「普通」の人間か?
「はじめに」と「あとがき」で主人公が書いた三篇の手記の編集者が顔を出し、真ん中の手記はその主人公が書いた、と言う形式の小説。有名な作品なのであらすじの紹介は不要と思われるが、簡単にふれておくと、以下のようになる。…続きを読む

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9位
ムーン・パレス
書籍:ムーン・パレス
(ポール・オースター/新潮社)
レビュアー:ぷるーとさん 得票数:28
書評掲載日:2020-05-14 08:03:04
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/2867/review/214272/

月を合言葉(?)にして紡がれていくストーリー。

『ムーン・パレス』は、人類が始めて月に足跡を記した年に一文無しとなり、その後出会った二人の男性によって大きく人生が変わった青年の数年間を描いた絶妙の青春小説だ。
M・S・フォッグは、コロンビア大学の学生。母親と二人暮らしだったフォッグ少年は交通事故で母親も亡くし、伯父に引き取られて育った。コロンビア大学の最終学年で有り金を使い果たし、セントラルパークで数日野宿し餓死寸前のところを友人と知り合いの女性に助け出された。…続きを読む

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9位
春にして君を離れ
書籍:春にして君を離れ
(アガサ・クリスティー/早川書房)
レビュアー:吉田あやさん 得票数:28
書評掲載日:2020-05-14 10:20:57
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/6650/review/244852/

自分を取り巻く世界の真実に凍り付く

多少の波は人生の中であったものの、3人の子供たちと優しい夫、裕福で幸せな暮らしに満足しているジョーン。ある日ロンドンから離れて暮らす娘の病床を見舞うため、ひとり旅に出る。その旅の帰路であるバグダッドからロンドンへの長い時間に、今まで向き合ったことのない自分と図らずも向き合うこととなり、全てを把握していたつもりで生きてきた自分の世界の外側に気付き始める。 …続きを読む

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9位

書籍:新アラビア夜話
(ロバート・ルイススティーヴンスン/光文社)
レビュアー:Wings to flyさん 得票数:28
書評掲載日:2020-05-04 14:02:46
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/91324/review/244406/

舞台は19世紀のロンドン、難事件解決に辣腕を振るうは、才芸並びなきボヘミアのフロリゼル王子なり

『宝島』などでお馴染みのスティーブンソンによる冒険物語である。時は19世紀、ロンドンに滞在中のボヘミア王子フロリゼル殿下が遭遇した二つの事件が語られる。フロリゼル王子は、穏やかで思慮深く気前も良くてルックス抜群という、たいそう魅力的なお方である。彼は退屈すると臣下の大佐をお供に、変装して身分を隠し夜の街へと出かけてゆく。そして、奇妙な出来事に出会うのだ。…続きを読む

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  1. 365bookdays編集部

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