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今月の1位はケン・リュウによる中国SFアンソロジー第2弾『月の光 現代中国SFアンソロジー』(早川書房)

本好きが集い、書評を投稿する読書コミュニティ「本が好き!」の 2020年4月の月間人気書評ランキングを発表します。 (同じレビュアーさんが違う書評でランクインしていた場合はより上位の書評のみを掲載しています。つまり2020年4月で、投票数が上位だった10人の書評が掲載されています)

1位
月の光 現代中国SFアンソロジー (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)
書籍:月の光 現代中国SFアンソロジー (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)
(劉 慈欣/早川書房)
レビュアー:かもめ通信さん 得票数:36
書評掲載日:2020-04-15 19:12:33
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/287508/review/243412/

『折りたたみ北京』に続くケン・リュウが編んだ中国SFアンソロジー第2弾!今回も読ませます!
『折りたたみ北京』に続き、ケン・リュウが編んだ中国SFアンソロジー第2弾!
『折りたたみ北京』刊行以降、日本でも単行本が刊行された劉慈欣、陳楸帆、郝景芳を含めた14人の作家による16作品に加え、これまたなかなか読み応えのある中国SFをめぐる3つのエッセイが収録されていて、前回よりさらにボリュームアップし、バラエティーにも富んでいる。

ただし「序文」でケン・リュウ自身が、このアンソロジーには「中国SFの代表的な作品を集めるという意図」がなく、「いわゆるベスト選集」ではない表明しているので、その点には注意が必要だ。
編者本人が楽しめた注目作品を紹介するというスタンスなので、この本を気に入るかどうかは読者と編者であるケン・リュウの好みが合うかどうかという問題だというのである。 そういわれると、ケン・リュウ作品ファンの私としては、かえって期待が高まるというもの。
その期待に十分に応えてくれる1冊だった。…続きを読む

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2位
ペスト大流行―ヨーロッパ中世の崩壊
書籍:ペスト大流行―ヨーロッパ中世の崩壊
(村上陽一郎/岩波書店)
レビュアー:ぽんきちさん 得票数:35
書評掲載日:2020-04-15 18:30:58
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/221906/review/243581/

歴史の転換点で大災厄がもたらしたもの
科学史家・村上陽一郎による、中世ペストの考察。
新書としてコンパクトにまとまっており、読みどころが多い。

序章で19世紀のペスト菌発見を含めた、ペストという疾患の総括を示し、以下、古代のペスト流行から、いわば黒死病前夜のヨーロッパ形成とペスト菌の侵出、猖獗を極めたその流行と人々の反応、黒死病以後の世界を説く。…続きを読む

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3位

書籍:癒す心、治る力―自発的治癒とはなにか
(アンドルーワイル/角川書店)
レビュアー:DBさん 得票数:33
書評掲載日:2020-04-17 11:00:27
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/64629/review/243097/

人体の不思議についての本
ワクチンも確実な治療法もない疾病にたいしては、免疫力をあげるしかない。
そもそも健康な状態を維持している人と、病気にかかる人の違いはどこにあるのだろう。 体温が高い方が免疫力高いという説もあるが、筋肉量が大きいだけな気もするし。 というわけで、病気になるのは精神力が足りないんだなんて言うつもりはないが、参考までに読んでみました。…続きを読む

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4位
ぬばたまおろち、しらたまおろち
書籍:ぬばたまおろち、しらたまおろち
(白鷺あおい/東京創元社)
レビュアー:Wings to flyさん 得票数:31
書評掲載日:2020-04-22 15:03:45
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/267622/review/243848/

心から楽しめる、上質なファンタジー。遠野物語とハリーポッターと夏への扉を混ぜ合わせて、こんな面白いお話が出来上がるとは!
読み始めは不安だった。だって、蛇を恋人にする女子の話なんですよ。とぐろ巻いてチロチロ舌出すあれですよ。ところが作者は、爬虫類大っ嫌いな私も、あっさりと放してはくれなかった。「え、それでそれで?」「あはは、なにこれ楽しいー。」と、どんどんページをめくってしまう。蛇にキスされたりするっていうのにさ。…続きを読む

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5位
時代へ、世界へ、理想へ 同時代クロニクル2019→2020
書籍:時代へ、世界へ、理想へ 同時代クロニクル2019→2020
(髙村 薫/毎日新聞出版)
レビュアー:Yasuhiroさん 得票数:30
書評掲載日:2020-04-13 19:12:27
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/287582/review/243502/

破局を見つめ、希望を取りかえせ。高村薫の歯に衣着せぬ最新時評集。
 私が尊敬してやまない孤高の作家高村薫女史の新刊である。今回は小説ではなく評論集、週刊サンデー毎日誌の「サンデー時評」に2019年1月から2020年3月まで掲載された時評の単行本化である。歯に衣着せぬ高村薫女史のこと、帯からして煽ること煽る事。…続きを読む

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6位
復活の日
書籍:復活の日
(小松左京/KADOKAWA)
レビュアー:紅い芥子粒さん 得票数:29
書評掲載日:2020-04-07 17:39:48
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/268770/review/243272/

無菌地帯といわれる極寒の南極大陸で、一万人の男と16人の女が、パンデミックから生き残った。
いま世界中で感染が拡大している新型のウィルスは、じつは、某大国の生物科学兵器が研究所から漏れ出したものだーーそんなうわさが、ネット上でささやかれていた時期があった。
いまでも、そういう記事を、ときどき見かける。そんな話を、信じるわけではないが、そういうこともあるかもしれない、とは思う。
じっさい、つぎつぎと上がってくるニュースの見出しをスマホで見ていると、この新型のウィルスのせいで、世界は終わってしまうんじゃないかという気さえしてくる。…続きを読む

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6位
ゴーストリイ・フォークロア 17世紀~20世紀初頭の英国怪異譚
書籍:ゴーストリイ・フォークロア 17世紀~20世紀初頭の英国怪異譚
(南條 竹則/KADOKAWA/角川書店)
レビュアー:darklyさん 得票数:29
書評掲載日:2020-04-08 20:53:57
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/287534/review/243309/

西洋幻想譚がお好きで、ある程度知識がある人には楽しめるかもしれませんが、単に怖い幽霊話を読みたい人にはお薦めできません。まさにフォークロア的な話が多く怖さというよりもロマンを感じてしまいます。
本書はアーサー・マッケンなどの小説の翻訳をしている南條竹則さんによるイギリスにおける幽霊を題材にした民間伝承集です。そして怪奇小説評論の第一人者である東雅夫さんが編集長を務めた「幽」という雑誌に連載されたものを単行本化したものです。…続きを読む

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6位

書籍:四畳半神話大系
(森見登美彦/角川書店)
レビュアー:波津雪希さん 得票数:29
書評掲載日:2020-04-17 08:47:42
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/3160/review/243642/

ループ系、もしくは並行次元を描いた作品です。
 著者の『夜行』や『ペンギン・ハイウェイ』が面白かったので『四畳半神話大系』を読んでみました。
著者の作品のうち、『夜行』や『ペンギン・ハイウェイ』よりも『夜は短し歩けよ乙女』に近い作品でした。…続きを読む

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6位

書籍:ペスト
(カミュ/新潮社)
レビュアー:四次元の王者さん 得票数:29
書評掲載日:2020-04-16 23:58:10
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/1618/review/243470/

冒頭、医師リウーが、死んでいる鼠を発見した日がなんと4月16日(本日)。ストーリーは、映画「荒野の七人」のシーンが強烈にフラッシュバック。
本書を手にしたきっかけは、もちろん新型コロナウイルス。
なのだが、二度読みして感じたのは読む前には想定外だったこと。
「極限状態での男たちの友情」、そして「彼らの人生って何?」。
二度読みした理由は、翻訳が五十年以上前のものだからなのか、やたらわかりにくい表現が多用されていたせい。…続きを読む

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6位
御社のチャラ男
書籍:御社のチャラ男
(絲山秋子/講談社)
レビュアー:たけぞうさん 得票数:29
書評掲載日:2020-04-09 23:04:08
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/286329/review/242943/

サラリーマン必読本。最近の絲山さん、絶好調!
前作もすごく気に入ったのですが、この作品も大満足でした。
エッセーで読む限りですが、最近の絲山さんはほぼ回復できているようで、作品にも現れているのでしょう。
御社のチャラ男は、代表作の一つといつか言われそうだなと想定されるくらい素晴らしい出来栄えでした。…続きを読む

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  1. 365bookdays編集部

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