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monthly bookreview ranking

今月の1位は、ミステリでありながら、社会派小説の一面もあり、少女のサクセスストーリーとも言える『ザリガニの鳴くところ』(早川書房)

本好きが集い、書評を投稿する読書コミュニティ「本が好き!」の 2023年1月の月間人気書評ランキングを発表します。 (同じレビュアーさんが違う書評でランクインしていた場合はより上位の書評のみを掲載しています。つまり2023年1月で、投票数が上位だった10人の書評が掲載されています)

1位
ザリガニの鳴くところ
書籍:ザリガニの鳴くところ
(ディーリア・オーエンズ/早川書房)
レビュアー:darklyさん 得票数:41
書評掲載日:2023-01-09 20:44:14
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/286698/review/285968/

この物語がベストセラーになった背景にはアメリカ社会の変化があるのかもしれない。

大変評判が良さそうな本なので読みたいとずっと思っていました。書評も沢山上がっていますのであらすじは簡単にします。
カイアは湿地帯の貧困家庭に生まれ、父親のDVにより母親を初めてとして兄弟も家を去り、父親と二人で暮らしていたが、やがて父親もいなくなり一人で暮らし始める。差別と偏見の中、黒人夫婦の好意により生計をたて、聡明なテイトに読み書きを習う。…続きを読む

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2位
チャタレー夫人の恋人
書籍:チャタレー夫人の恋人
(D.H.ロレンス/光文社)
レビュアー:かもめ通信さん 得票数:37
書評掲載日:2023-01-05 06:29:11
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/221099/review/284279/

これはやっぱり大人の読み物!?、初読みではあるものの、いろいろな意味でなかなかやりなおし甲斐のある作品だった。 #やりなおし世界文学 

「上流階級の令夫人が領地の森番と契りを結び、道ならぬ恋へと突き進む」
この小説を一文でまとめてしまうと、極めて陳腐な恋物語にしか思えない、だがしかし……と、訳者はまえがきで読者に向けて語る。
物語を読み進める上でおさえておきたい時代背景や、登場人物たちの社会的地位などをまずこのまえがきで説明しておくというスタイルは、なかなか親切でありがたくもある。…続きを読む

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3位
駅の名は夜明  軌道春秋Ⅱ
書籍:駅の名は夜明  軌道春秋Ⅱ
(髙田郁/双葉社)
レビュアー:ことなみさん 得票数:36
書評掲載日:2023-01-04 15:51:19
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/313692/review/285742/

年の初めはふんわりと心が温まる本から読み始めたいと思った。

感動した本の一番上に置いてある高田郁さんの「ふるさと銀河線 軌道春秋」の二巻目が出ているので、これを初読みにした。
「ふるさと銀河線」は評判がいいので「軌道春秋」と題名を加え、この「駅の名は夜明 軌道春秋Ⅱ」を出したそうだ。
町の隅のどこかでひっそりと、それでも懸命に生きている人々を優しい筆で書く高田郁さんの作品は暖かい。
…続きを読む

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4位
すべての月、すべての年 ルシア・ベルリン作品集
書籍:すべての月、すべての年 ルシア・ベルリン作品集
(ルシアベルリン、岸本佐知子/講談社)
レビュアー:ぱせりさん 得票数:32
書評掲載日:2023-01-17 12:27:21
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/305828/review/282401/

全部まとめて、一つの物語を読んだような気持になる。何が書かれていたか、というよりも、一作一作から滲み出る、あの人の気配をあつめるような気持ちで読んでいた。

職場では頼りになるナースであったり、教師であったり。妹思いの姉であり、辛抱強い母親であり。
めそめそする人は嫌いだけれど、そうかといって、人をむやみに切り捨てることのできない人でもあるのだ。
だけど、彼女は、重いアルコール依存症だ。自分を亡ぼすことを知りながら、浴びるほど飲まずにはいられない。
それだから、同類を敏感に感知するのかもしれない。
彼女のなかにある闇の深さを知る。寒々とした孤独に震えてしまう。…続きを読む

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5位
人形の家
書籍:人形の家
(ルーマーゴッデン/岩波書店)
レビュアー:hackerさん 得票数:31
書評掲載日:2023-01-13 19:38:36
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/20181/review/285876/

「人形は作られたその瞬間、仕上げをされたその瞬間から、もう変わることもなければ、大きくなることもないのです」(本書より) 天満博士とアトムのことを思い出してしまいました。

本書のことを知った時、イプセンの有名な『人形の家』と同じタイトルで、子ども向けの本を書くとは、何と大胆なと思いましたが、実際には本書の原題は The Doll's House であるのに対し、イプセンの方の英語の題は「A Doll's House」となっていて、元のノルウェー語でも不定冠詞が使われていますから、同じというわけではありません。先に書いた、アニー・エルノーの『ある女』のレビューでも触れましたが、定冠詞と不定冠詞とでは意味が異なってしまうので、本書に関しても、そこは留意しておく必要がありそうです。…続きを読む

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5位
ぶらっとヒマラヤ
書籍:ぶらっとヒマラヤ
(藤原章生/毎日新聞出版)
レビュアー:三太郎さん 得票数:31
書評掲載日:2023-01-15 01:32:32
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/313896/review/286096/

58歳の新聞記者がヒマラヤの8000m峰に初めて挑戦した話。

著者は学生時代は岩登りや冬山登山に打ち込んでいましたが、結婚後は山からは離れていたとか。それが50代で海外勤務から戻ると福島県の郡山に転勤になり、地元の山岳会に加わって登山を再開してからヒマラヤのダウラギリ(標高8167m)に挑戦するまでの手記です。…続きを読む

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7位
霧が晴れた時
書籍:霧が晴れた時
(小松左京/角川書店)
レビュアー:ぽんきちさん 得票数:30
書評掲載日:2023-01-16 09:45:41
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/57428/review/286228/

「わからない」ことの怖さ

小松左京の自選恐怖小説集。
小松と言えば昭和のSFを牽引した1人。ではSFと恐怖小説の接点とは何かというところだが、著者自身による「あとがき」に、「近代SFはそのスタートのときから、伝統的なホラーをモダンホラーに仕立て上げるというひとつの伝統を持って」いたとある。なるほど、そうした側面はあったのかもしれない。…続きを読む

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8位
地図と領土
書籍:地図と領土
(ミシェルウエルベック/筑摩書房)
レビュアー:紅い芥子粒さん 得票数:29
書評掲載日:2023-01-12 16:03:11
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/270550/review/286050/

本屋さんでタイトルを見たときは、帝国主義の戦争の話かと思った。本の帯を見ると「ウェルベック、惨殺⁉」と書いてあった。えっ、作者が殺される? これはおもしろそうと思い、本を手に取りレジに向かった。

主人公のジェドは、天才的な芸術家。孤独な生い立ちをした。 幼いころに母親が自死、建築家の父親は息子に無関心だったから、家庭というものを知らずに育った。ジェドは、美術学校を卒業して、写真家としても画家としても大成功をおさめるが、ずっとひとりだった。学校時代は友人をつくろうとしなかった。恋愛はしたが、去っていく恋人を追おうともしなかった。仕事上のパートナーとは、仕事が終わればつきあいも終わった。…続きを読む

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8位
自由研究には向かない殺人
書籍:自由研究には向かない殺人
(ホリー・ジャクソン、服部京子/東京創元社)
レビュアー:茜さん 得票数:29
書評掲載日:2023-01-11 10:46:49
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/301564/review/286008/

ひたむきな主人公の姿が胸を打つ、イギリスで大ベストセラーとなった謎解き青春ミステリ。

「イギリスの小さな町に住むピップは、大学受験の勉強と並行して“自由研究で得られる資格(EPQ)"に取り組んでいた。題材は5年前の少女失踪事件。交際相手の少年が遺体で発見され、警察は彼が少女を殺害して自殺したと発表した。少年と親交があったピップは彼の無実を証明するため、自由研究を隠れ蓑に真相を探る。調査と推理で次々に判明する新事実、二転三転する展開、そして驚きの結末。
ひたむきな主人公の姿が胸を打つ、イギリスで大ベストセラーとなった謎解き青春ミステリ。(あらすじより)」
高校を卒業する為に選んだ自由研究がなんと殺人事件の解明とはそれだけでも驚きなのに、更に殺人を犯したとされる少年サル・シンの無実を証明するなんて面白くないはずがない。…続きを読む

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10位
幻のアフリカ
書籍:幻のアフリカ
(ミシェル・レリス、岡谷公二、田中淳一、高橋達明/平凡社)
レビュアー:休蔵さん 得票数:28
書評掲載日:2023-01-10 07:22:33
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/312932/review/284465/

ダカール・ジブチ、アフリカ横断調査団に参加したフランス人民俗学者ミシェル・レリスの日記で、1931年5月19日から1993年2月16日の記録である。

冒険譚・旅行譚は、時代を遡れば遡るほど、地域が遠く隔たれば隔たるほど、面白みが増すと考える。
 本書はダカール・ジブチ、アフリカ横断調査団に参加したフランス人民俗学者ミシェル・レリスの日記で、1931年5月19日から1993年2月16日の記録である。ただし、その内容は単なる日記に留まらず、調査の所見を記すこともある。さらには夢の内容までも丁寧に記述している。出版の際の序文構想まで掲載する。
 レリスは「書記兼文書係」として調査団に加わっており、そのことが些細な内容も記録に残すことに繋がったのだろう。…続きを読む

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10位
夜をあるく
書籍:夜をあるく
(マリー・ドルレアン、よしいかずみ/ビーエル出版)
レビュアー:ときのきさん 得票数:28
書評掲載日:2023-01-12 20:57:34
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/302780/review/285990/

青い夜を照らす白いともしび

ある一家が、深夜のハイキングに出かける。夜の街を抜け、暗い田舎道を歩き、森に入って湖に映る月を眺め、草むらに寝そべり星の数をかぞえ、山道に足をかける。静かで美しい夜を描いた絵本だ。
 まず夜と明かりの対照が素晴らしい。…続きを読む

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10位
ミッドナイト・ライブラリー (邦訳版:The Midnight Library)
書籍:ミッドナイト・ライブラリー (邦訳版:The Midnight Library)
(マットヘイグ、浅倉卓弥/ハーパーコリンズ・ジャパン)
レビュアー:rodolfo1さん 得票数:28
書評掲載日:2023-01-13 09:38:12
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/304845/review/285153/

自殺を試みたノーラの前に現れたのは生と死の狭間に存在する真夜中の図書館だった。そこでノーラはかつて夢見た様々な人生を生き直し、それらの夢のような人生にすらさまざまな問題点が隠れている事に気づく。。。

マット・ヘイグ作「ミッドナイト・ライブラリー」を読みました。
死を決意した日から19年前のその日、ノーラ・シードは故郷の高校の図書室の司書、エルム夫人といつものようにチェスをしていました。ノーラにとってエルム夫人は唯一の心許せる相手でした。母親はいつもノーラの間違いを正してばかりで、父親はノーラが水泳を辞めてから、何一つ長続きしない娘だと罵りました。将来のオリンピック選手と目されていたノーラは、ラグビー選手として挫折した父親の希望の星だったのでした。。。…続きを読む

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  1. 365bookdays編集部

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