今月の1位は、「シャーロック・ホームズ沼」にハマった人々のオタク道の奥深さに瞠目する『〈ホームズ〉から〈シャーロック〉へ――偶像を作り出した人々の物語』(作品社)
本好きが集い、書評を投稿する読書コミュニティ「本が好き!」の 2020年3月の月間人気書評ランキングを発表します。
(同じレビュアーさんが違う書評でランクインしていた場合はより上位の書評のみを掲載しています。つまり2020年3月で、投票数が上位だった10人の書評が掲載されています)
1位
書籍:『〈ホームズ〉から〈シャーロック〉へ――偶像を作り出した人々の物語』
(マティアス・ボーストレム/作品社)
レビュアー:かもめ通信さん 得票数:43
書評掲載日:2020-03-16 07:20:41
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/285513/review/242359/
最初に断っておきたいのだが、私はシャーロキアンではない。
それどころかホームズ作品はろくに読んでおらず、“ルパン対ホームズ”なら迷わず、ルパンに与する気満々だ。
だから私のこのレビューは、ホームズ通の方の参考にはならないかもしれない。
なにしろシャーロック・ホームズに関する私の記憶は10代前半からほとんど更新されていないのだ。
そのせいで、一番最近(といっても既に9年近く前だった!)読んだ『バスカヴィル家の犬』のレビューでは、ホームズのことを「偉そうな上から目線のおじ様」扱いしていた!
この本を読むまで、まさか、ホームズがそんなに若いとは思いも寄らずに!!…続きを読む
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2位
書籍:『オオカミ王ロボ (シートン動物記)』
(ErnestThompsonSeton/童心社)
レビュアー:ぽんきちさん 得票数:34
書評掲載日:2020-03-14 14:21:52
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/181655/review/242362/
『科学道100冊』の1冊。
おなじみ、「シートン動物記」に収録されたお話の1つ。おそらくは、「シートン動物記」の中で、最もよく知られた話であり、「ロボ」はあるいは世界で一番有名なオオカミかもしれない。
ニューメキシコ北部の高原に、一帯を統べるハイイロオオカミがいる。その名はロボ(Lobo)。スペイン語でオオカミを意味する。…続きを読む
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3位
書籍:『国宝の解剖図鑑』
(佐藤晃子/エクスナレッジ)
レビュアー:休蔵さん 得票数:33
書評掲載日:2020-03-16 07:09:46
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/284604/review/238623/
1110件を数えるという国宝。「重要文化財のうち、世界文化の見地から価値の高いもので、たぐいない国民の宝たる」(8頁)ものが国宝という。案外多いなと思ったら、重要文化財は1万3千件以上指定されているという。国宝は重要文化財の1割にも満たない件数に過ぎないとのこと。やはり希少で貴重なもののようだ。…続きを読む
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4位
書籍:『ペスト』
(カミュ/新潮社)
レビュアー:紅い芥子粒さん 得票数:32
書評掲載日:2020-03-23 12:32:19
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/1618/review/242751/
新型コロナウィルス感染拡大の影響で、カミユの「ペスト」が売れていると聞いた。どこの書店でも品切れだとか。ご時勢とはいえ、世の多くの人々が、こんな重たい小説に飛びつくものかしら……。半信半疑でわが街の本屋さんに行ってみた。大型ショッピングセンターの中の、エンタメ系の本が中心で、文芸書は片隅に追いやられている店。新潮文庫の「ペスト」は、「異邦人」と「追放と王国」に挟まれて、ちゃんと並んでいた。…続きを読む
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5位
書籍:『北風のうしろの国(上)』
(ジョージ・マクドナルド/岩波書店)
レビュアー:Wings to flyさん 得票数:31
書評掲載日:2020-03-20 17:20:51
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/286831/review/242684/
☆上下巻合わせた感想です。
当時は別の出版社の児童向け名作シリーズの一冊だったと思うが、子どもの頃プレゼントにもらった思い出深い作品である。なぜなら、お話の本をこよなく愛していた私が、途中で放り投げたからだ。あれから数十年、この度、祝 #岩波少年文庫 #創刊70周年読書会 が開催されている機会に、かつての挫折の原因を探るべく再び挑んでみることにした。…続きを読む
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6位
書籍:『細菌と人類―終わりなき攻防の歴史』
(ウィリーハンセン、ジャンフレネ/中央公論新社)
レビュアー:DBさん 得票数:30
書評掲載日:2020-03-22 10:48:15
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/97311/review/242566/
コロナウイルスが世界を席巻しているのかで、さすがに外出も旅行も考えないといけない世の中ですね。良くも悪くも夏までには収まって欲しいものですが、歴史を振り返ると疫病は人類のパートナーだったようだ。
本著では歴史的に重要な十六の疾病についていつどのように流行したかとか、それが人類に与えた影響や細菌を研究して戦ってきた学者に焦点を当てて解説しています。…続きを読む
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7位
書籍:『モーリス』
(E.M.フォースター/光文社)
レビュアー:星落秋風五丈原さん 得票数:29
書評掲載日:2020-03-02 06:07:15
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/286618/review/241539/
小学校卒業の時に先生から性について教えられた母子家庭のモーリスは「ぼくは結婚しないと思います」と教師にきっぱりと否定してみせる。「男と女はすべて収まるべき所に収まる」先生の言うことは嘘っぱちだと思った彼は、この後男性を愛した時、常につきまとう闇を感じる。…続きを読む
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7位
書籍:『私は幽霊を見ない』
(藤野可織/KADOKAWA)
レビュアー:薄荷さん 得票数:29
書評掲載日:2020-03-16 07:46:14
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/281186/review/242434
幽霊を見たことないし、おそらくこれからも見ることは無いだろうし、ぶっちゃけ絶対幽霊なんていないよねー・・・と思っている著者が、でも見るチャンスを何となく追求しつつ、他人の恐い話を収集しながら幽霊や怖いものについて考えているけど、やっぱり幽霊を見ることだけは全然ないエッセイです。…続きを読む
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9位
書籍:『失われた時を求めて(7)――ゲルマントのほうIII』
(プルースト/岩波書店)
レビュアー:Yasuhiroさん 得票数:28
書評掲載日:2020-03-06 17:21:26
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/258179/review/241957/
前回レビューに書きましたように、高遠弘美氏訳の光文社古典新釈文庫版「失われた時を求めて」は現在第六巻までしか刊行されていません。そこで、せめて第三篇「ゲルマントのほう」だけでも読みきっておこうと思い、進行を同じくする岩波文庫版で第七巻を読んでみました。訳は高遠氏もよく参考にされていた吉川一義氏です。…続きを読む
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10位
書籍:『不平等と再分配の経済学――格差縮小に向けた財政政策』
(トマ・ピケティ/明石書店)
レビュアー:sawady51さん 得票数:26
書評掲載日:2020-03-06 05:43:45
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/286855/review/241871/
『21世紀の資本』はもうおなじみで読んだ方も多いのではないでしょうか。この書籍は『21世紀の資本』で論じられなかった人的資本や教育の問題にも触れており、合わせて読むとなお一層ピケティの主張が理解できるものとなっております。不平等に関する経済理論をわかりやすくまとめた書籍です。…続きを読む
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10位
書籍:『青いバラ』
(最相葉月/岩波書店)
レビュアー:三毛ネコさん 得票数:26
書評掲載日:2020-03-07 10:00:35
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/286942/review/241994/
著者は最初に鈴木省三というバラ育種家のところに取材に行く。108種もの新しいバラを作り出し、数々の賞も受けている、バラ育種家の中では有名な人物である。
著者は、遺伝子操作で青いバラを作るというニュースに違和感を覚え、まず鈴木に話を聞きに行ったのである。しかし著者は、「青いバラができたとして、それが本当に美しいと思いますか」という意外な答えを聞く。…続きを読む
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10位
書籍:『恐るべき子供たち』
(コクトー/岩波書店)
レビュアー:ゆうちゃんさん 得票数:26
書評掲載日:2020-03-20 17:26:47
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/229440/review/241892/
2部構成の小説で、思春期の姉エリザベート、弟ポール、ポールの友人ジェラール、第2部でエリザベートが働きだした時に知り合った孤児アガートの四人を中心とする物語。
学校でのポールのあこがれは皆のリーダーであるダルジュロスである。だが雪合戦で彼が石を入れた雪玉をポールに投げつけた事で元々病弱なポールは学校に通えなくなる。物語が始まった時にはエリザベートとポールの父は死んでおり母も病床にあった。…続きを読む
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