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monthly bookreview ranking

今月の1位は、『グッバイ・クリストファー・ロビン:『クマのプーさん』の知られざる真実』(国書刊行会)他4タイトル!

本好きが集い、書評を投稿する読書コミュニティ「本が好き!」の 2023年2月の月間人気書評ランキングを発表します。 (同じレビュアーさんが違う書評でランクインしていた場合はより上位の書評のみを掲載しています。つまり2023年2月で、投票数が上位だった10人の書評が掲載されています)

1位
グッバイ・クリストファー・ロビン:『クマのプーさん』の知られざる真実
書籍:グッバイ・クリストファー・ロビン:『クマのプーさん』の知られざる真実
(アン・スウェイト、山内玲子、田中美保子/国書刊行会)
レビュアー:かもめ通信さん 得票数:33
書評掲載日:2023-02-01 18:38:13
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/313759/review/286674/

“知られざる真実”はもちろんのこと、同時代の作家や俳優との交流など、20世紀前半の英米文化史としても興味深い1冊。

著者のアン・スウェイトはイギリスの著名な伝記作家で、東京女子大学で教鞭をとったこともあるのだそう。
中でも「A.A. Milne: His Life」(未邦訳)は、ウィットブレッド文学賞の伝記部門年間最優秀賞を受賞した作品なのだという。
膨大な資料に当たって書かれたこの伝記は、「あまりに詳しすぎる」と評されるほどの情報量で、本を書くために集めた資料だけでもう一冊、資料集も出版されたほど。
ちなみにこの資料集は『クマのプーさんスクラップブック』というタイトルで筑摩書房から2000年に邦訳出版されている。…続きを読む

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1位
朱色の化身
書籍:朱色の化身
(塩田武士/講談社)
レビュアー:darklyさん 得票数:33
書評掲載日:2023-02-06 05:37:49
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/305292/review/287268/

どうしても「罪の声」と比較してしまう。

大路亨は父親から、祖母の菊代が同郷の辻静代のことを興信所に調査依頼をしていた理由について調査して欲しいと依頼される。菊代と静代は芦原(あわら)の大火(実際にあった福井県の温泉街の火災)の被害者だ。大路は調査のきっかけをつかむために静代の孫である珠緒に接触しようとするが、珠緒が失踪していることが判明する。調査を進めて行くうちに次第に明らかになっていく苦難の道を歩んできた女性たちの人生に隠された真実とは。…続きを読む

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1位
闇市
書籍:闇市
(マイクモラスキー、MichaelMolasky/新潮社)
レビュアー:ぽんきちさん 得票数:33
書評掲載日:2023-02-13 08:53:14
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/280391/review/287579/

それは地獄か新天地か。本音でぶつかり合う場所で、人々は何を見るのか。

一般に、「闇市」といえば、日本では第二次世界大戦後、連合国軍占領下の混乱期に成立した商業形態を指す。
統制経済の下、ものには1つ1つ値段がつけられた。だが政府による配給は、物資の不足からほぼ機能しないに等しく、都市部では特に食料や生活必需品が不足していた。正規のルートで物資を手に入れ生活することはほぼ不可能で、地方にこっそり買い出しに行くものも多かった。
そうした中で、空襲や立ち退きの後の空き地に発展していったのが「闇市」である。…続きを読む

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1位

書籍:肉体の悪魔
(ラディゲ/新潮社)
レビュアー:ぱせりさん 得票数:33
書評掲載日:2023-02-24 07:18:34
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/12515/review/286081/

だけど、どこまでも郷愁を帯びた美しい文章なのだ

「僕」による過去形の語りのせいか、郷愁を誘われるようだ、と思いながら読んでいると、突然、厭世的で冷笑的な言葉にぶつかって、ひやっとする。
「僕」は15歳で、中学生である。学校側から特権的な待遇を受けるほどに聡明な少年であるが、彼は同級生を見下しているし、何のためらいもなく周囲の大人たちを利用する。少年に手玉に取られ、(困るよりも、たぶん喜んで)利用されてしまう周囲の人々に苛立ちながら、(きっと姿も美しい)少年の不気味さを寒々と感じていた。…続きを読む

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5位
日本語ぽこりぽこり
書籍:日本語ぽこりぽこり
(アーサー・ビナード/小学館)
レビュアー:三太郎さん 得票数:32
書評掲載日:2023-02-09 18:08:17
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/314527/review/287413/

米国生まれの詩人アーサー・ビナードによる英語と日本語のトリビアなあれこれ。

詩人のアーサー・ビナードさんが主に2001年から2004年にかけて日本語で書いたコラムを集めた(ちょっと古い)本が今年の2月に文庫化された。時期的には米国のブッシュ大統領と英国のブレアー首相が始めたイラク戦争のうさん臭さが取り上げられているが、時事ネタばかりではない。…続きを読む

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6位
百年の孤独
書籍:百年の孤独
(ガブリエルガルシア=マルケス/新潮社)
レビュアー:ウロボロスさん 得票数:31
書評掲載日:2023-02-08 09:53:23
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/97/review/287366/

現実と夢幻が混在する奇想天外な作品世界は唯一無二の読書体験をさせてくれます。この物語は、何かと問われたら「友よ答えは、風に舞っている」と答えるしかないでしょう?(笑)

この物語は、南米の架空の場所に「マコンド」という街が建設され、消滅するまでの百年間のストーリーを魔術的リアリズムの手法で描いた作品です。…続きを読む

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6位
長いコトバは嫌われる メモ1枚! 人生を変える最強の伝え方
書籍:長いコトバは嫌われる メモ1枚! 人生を変える最強の伝え方
(横田伊佐男/日経BP)
レビュアー:ことなみさん 得票数:31
書評掲載日:2023-02-10 12:34:02
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/314543/review/287447/

図書館で表紙だけを見て借りてきた。これを読めば、読後感想文を書くのに役立ち、その上キャッチフレーズも短くてピリッと気が利いたものが書けるかも。 ワクワクしたのに読んでみると残念ながら役に立たなかった。

私向けではないし、内容も感想文には向いてない。もう面接を受けることもないしプレゼンなどとは全く縁がない。これまでも、これからも。
広告のコピーを読むのは好きだし。気が利いたコマーシャルは音がでかくてもあまり気にならない。感心したり、うっとりしたり、ニコニコしたりする。広告業界の小説もとても好き(藤原伊織さんのシリウスの道とか)。私には文章の手本がいるのでたまに役立つ本も読みますが。
この本を読むと印象的でふと思い出すような気が利いたキャッチフレーズを捉えるのは努力と才能かなぁと思うのです。 …続きを読む

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8位
二〇世紀〈アフリカ〉の個体形成 南北アメリカ・カリブ・アフリカからの問い
書籍:二〇世紀〈アフリカ〉の個体形成 南北アメリカ・カリブ・アフリカからの問い
(真島一郎、真島一郎/平凡社)
レビュアー:休蔵さん 得票数:30
書評掲載日:2023-02-13 07:16:39
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/312926/review/284457/

歴史では特定有名人ばかりが登場しがち。本書はあまり表に出てこない「個」に焦点をあて、国家や社会などとの連関を模索する。舞台は大西洋を挟む2つの大陸で、素材は20世紀の黒人のありかた。

伝記は功績先に有りきである。功績があるからこそ人は偉人と賞され、偉人だからこそ伝記としてまとめられる。そのため伝記では功績のフィルターがかけられており、正解の姿だけが描かれがちだ。織田信長なんて、いろんな評価があってしかるべきだが、小学生向きのマンガ伝記ではヒーローとして描かれる場合がほとんどだろう。大切なのは「個体形成」である。…続きを読む

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9位
迷宮遊覧飛行
書籍:迷宮遊覧飛行
(山尾悠子/国書刊行会)
レビュアー:ときのきさん 得票数:29
書評掲載日:2023-02-24 10:53:48
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/313412/review/287339/

幻想小説家・山尾悠子のエッセイ・書評・掌編を遊覧する、初読者も年来のファンも満足できる充実した一冊

 幻想小説家・山尾悠子の初エッセイ集だ。デビューから今日までに書かれた、小説のあとがき以外の文章がほぼ網羅されている。
 前半が復帰以降の文章、後半が隠棲以前の雑文という構成になっている。現在から過去へ遡行するような作りで、書いている人間が同じだから基調は変わらないのだが、現在の方がおおらかというか程よく肩の力が抜けていて、若い頃のそれは犀利で隙がなく、存命の先達を意識してぐっと腕にこめた力こぶが感じられる。どちらが良い悪いということではなく、一人の作家の経年による変化を一書で通覧できる機会は少ない筈で、その意味でも興味深い読み物になっている。…続きを読む

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9位

書籍:幻想と怪奇 3
(フレドリック・ブラウン、仁賀克雄/早川書房)
レビュアー:hackerさん 得票数:29
書評掲載日:2023-02-14 05:01:40
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/314156/review/287154/

おそらく、日本ではこの本でしか読めない二つの傑作、レイ・ブラッドベリの『死人使い』とブラッドリイ・ストリックランドの『墓碑銘』が収録されています。

仁賀克維編纂によるハヤカワ文庫NV版の怪奇・恐怖小説アンソロジーの第三巻です。本書には13作収録されています。この3冊のアンソロジーは、ときのきさん主催の「ホラー・怪奇幻想 百物語」がきっかけで、再読しました。…続きを読む

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9位
アポロンの眼 (バベルの図書館 1)
書籍:アポロンの眼 (バベルの図書館 1)
(ギルバ-ト・キ-ス・チェスタトン/国書刊行会)
レビュアー:DBさん 得票数:29
書評掲載日:2023-02-09 21:45:05
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/259490/review/287229/

個性と推理力が光る話

無限の空間であるバベル図書館という発想だけでも本好きにはたまらないが、さらに幻想小説集ということで第一巻である本書を手に取ってみました。 ボルヘスがこのバベル図書館の蔵書として最初に持ってきたのはチェスタトンだ。 ブラウン神父シリーズは創元社推理文庫の新訳で一通り読んでいたが、ちょっとたって忘れている部分もあり再読してようやく意味が分かった部分もあり、チェスタトンの面白さがようやく分かった気がする。…続きを読む

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9位
輪違屋糸里 上
書籍:輪違屋糸里 上
(浅田次郎/文藝春秋)
レビュアー:茜さん 得票数:29
書評掲載日:2023-02-16 00:19:26
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/5080/review/287676/

「壬生義士伝」に続き、新選組の“闇"=芹沢鴨暗殺事件の謎に迫る!

正直、私は芹沢鴨は悪役のイメージなので、巻頭早々に音羽太夫が芹沢鴨に無礼討ちにされてしまうのが何とも悔しかった。
音羽太夫に逢状を出したのが芹沢で、その場所には土方と平間が先達でおり、逢状の主である芹沢がまだ来ていないということだった。
主が来ていないのに太夫が家来の相手をするものではないという島原のしきたりに従い、音羽太夫は辻で待ち構えると芹沢が来て文句を言い始め、挙句、音羽太夫は無礼討ちに。…続きを読む

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  1. 365bookdays編集部

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